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殿様の不覚


チョウゲンボウ (タカ目ハヤブサ科)
畦道沿いの電柱でチョウゲンボウ♀タイプを見つけた。しばらく観察を続ける
うちに行動パターンが見えてきた。チョウゲンボウが止った電柱から1本離れ
て車を寄せ、チョウゲンボウの次のアクションを車内で待つ。

電柱の上から獲物を捕捉したチョウゲンボウは、相手に悟られないよう、非常
にゆっくりとした羽ばたきでフワフワと地上に舞い降り、左足で獲物を難なく
捕まえると、着地することなくこちらの電柱に向かって飛び上がってきた。

近寄ってくるチョウゲンボウにフォーカスしながら、ファインダーで動きを追
い続ける。制動姿勢に入り(トップ写真)、空中で動きを止めて電線の上に着
地した。左手には観念したトノサマバッタがガッシリと握られていた。空から
の天敵に気づくのに遅れた不覚を、殿様は悔いているのだろうか。

電線のチョウゲンボウはポジションを固めて落ち着くと、一瞬舌なめずりをチ
ロっとした後、頭から殿様を噛み砕いて行った。

捕食活動を続けるチョウゲンボウに、アトリの大群も警戒を続ける。一斉に電
線から飛び立ち餌場へ。餌場の緊張が一瞬で広がると群れは一気に動いて、安
全地帯へと退避してゆく。

【撮影データ】 20/Oct/12 D90+VR300F2.8