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朝霧のチュウヒ


チュウヒ (タカ目タカ科)
鳥シーズン再来で、家を出てすぐの田んぼを一回りしながら職場に向かうのが
慣例になっている。この時期のコウノトリはバッタ食い専門である。10月に
入ってすぐ、田んぼにノビタキが目だってきた。

霧の立った朝、ノビタキをチェックしながら畦道を行く。前方右の田んぼの真
ん中にトビらしき猛禽を捕捉。ゆっくりアプローチしながら、こりゃトビじゃ
ないなとレンズを構えたところで飛ばれた。

低空のV字飛行は、思ったとおりのチュウヒに違いなかった。少し離れて降り
た田んぼに回りこむ。50mは距離を保ったつもりでも、レンズを構えると途
端に飛んでしまう。後姿は一見トビだが、尾羽の後端がバチ状に湾曲せずスト
レートで、腰に明るいバンドがあるのが特徴。

飛翔中のチュウヒの上面、同じく下面。フクロウほどではないが顔盤が発達し、
集音能力が高いタカである。毛に覆われない黄色い脚もトビとの相違点。色模
様に個体差が大きい種である。秋の渡りの途中。兵庫県RDBではAランク。

団地の丘陵を背景に飛ぶチュウヒ。ヒラヒラと低空飛行を続け、獲物を察知す
るとストンと落ちるように急降下。捕獲を諦めるとヒラリと舞い上がり、あた
りを周回飛行し続けた。農作業の原チャリ爺さんが畦道を走って、チュウヒは
広域農道を越えて霧の中に消えて行った。

【撮影データ】 2-3/Oct/12 豊岡盆地 D90+VR300F2.8