早稲の穂が垂れはじめた豊岡盆地の水田に、トンボの大群れが観察されている。 アキアカネが山から下りてきたと勘違いすることもあるが、この時期に群れで 現われるトンボはウスバキトンボである。アキアカネと比べると頭が大きく、 翅も幅広である。 ウスバキトンボは殆ど止ることがなく空中を漂い続けるので、撮影はなかなか 難しい相手だ。ようやく稲の葉に止ったところを撮影できた。赤とんぼのよう に水平には止らず、ぶら下がるようにして休む。盆地の南東稜床尾山に入道雲 が湧き上がるのをしばし眺める。 出石川の堤防でウスバキトンボのさらに大きな群れ*と遭遇した。魚眼レンズで 追いかけるが、群れの大きさをうまく表現できない。西日のウスバキトンボ*。 ウスバキトンボの生態は面白い。子孫を繋ぎながら、北へ北へと一方通行の旅 を続け、最後の群れが北海道に達してその旅を終えるという。豊岡盆地のウス バキトンボも、次の中継地へ向かう旅の途中なのだ。 【撮影データ】 19/Aug/12 豊岡盆地 D90+VR300F2.8,*SIGMA10mmFE |