汗だくのイッシキキモンカミキリ観察を終え、おっさん生物部3名はUさんの 案内でオプショナルツアーに向かった。目的地は城崎町の桃島池。兵庫県レッ ドデータブックAランクの希少種、ヒヌマイトトンボの生息地の一つである。 ここは地元の「守る会」によって保護活動が続けられている。 汽水域のヨシ原に限定的に生息し、1990年代になって初めて当地での存在が明 らかとなった希少種である。自然系の刊行物で写真を見たり、繁殖期には地元 紙の紙面を賑わすヒヌマイトトンボだが、私は今まで一度も見たことがなかっ た。今回はよいチャンスを得た。 Uさんの案内で観察ポイントに入る。長靴でないとアプローチできないヨシ原 の中。その根元に確実にいるとUさんが言うが、なかなか目で捉えることがで きない。体長3cmほど。か細い体をようやく認識することができた。慣れて てくると次々に個体が見えてくる。 ヒヌマイトトンボのオスは、胸に緑の四つ星がトレードマーク。こんな環境に ひっそりと暮らしている。これまで適当な図鑑写真が撮れてないとUさん。 3人がそれぞれにシャッターを切ったから、今後の刊行物で使えるカットも残 せただろう。交尾シーンにも出会えた。 朝のイッシキキモンカミキリ、続いてのヒヌマイトトンボと、希少種を続けざ まに見せてくれた但馬の自然の多様性を、改めて深く感じ入る暑い暑い7月最 後の日曜日であった。案内人のUさんに感謝します。 【撮影データ】 29/Jul/12 D90+VR300F2.8,60mmMacro,SIGMA17-70 |