この季節恒例の蕗採りに夫婦で出かける。往来の少ない林道脇が私たちのポイ ント。雪解けが遅かったので蕗の出が悪いようだが、我が家で消費するには十 分な量を採ることができた。 休憩タイムにお湯を沸かしていると、足元を這う黒い甲虫が目に入った。体長 は6ミリくらい。顔を地面に近づけてよくよく見てみると、こいつの翅が実に 美しい金属光沢を放っているのに気づいた。湯沸しそっちのけで撮影モードに 突入。 地面だと動くのが早くて追いきれない。しばらく私の手の上で遊んでもらいな がら、60mmマクロで片手撮影。相手が小さすぎてAFは上手く行かないので、 最短でフォーカス固定し、虫を載せた手を前後させてピントをあわせる。 後で調べてこの甲虫の名を知った。ニジゴミムシダマシ。小さな甲虫ながらク ローズアップで見てみると実に魅力的な姿をしている。別カット。タマムシの 金属光沢より模様が複雑で、まるで宝石のように美しい。 蕗摘みに熱心な妻をよそ目に、私は付けたままのマクロレンズで目についたも のを撮って遊ぶ。キンモンガが交尾中。さすがにマクロレンズは後ボケが美し い。魚眼レンズによる「視覚の冒険」ショットとは違う楽しさがある。カシワ の若木の葉裏にはアブラムシとアリの共同生活があった。 ホトトギスが近くに止ったが、ひと鳴きしたらヒバリが飛んできて追い払われ てしまった。オオルリは相変わらず遠い。これからの季節、望遠レンズをマク ロレンズに換えて、鳥から虫へと遊び相手をシフトしてゆこう。 【撮影データ】 03/Jun/12 D90+Micro60mm,*VR300F2.8 |