林道ではシカと遭遇することは日常茶飯事。しばらくフリーズして目を合わせ たあと、急に斜面を駆けて逃げてゆく行動パターンも慣れっこになった。仲間 は至近距離でクマと出会って撮影に成功しているが、今のところ、私にはそん なラッキーは訪れてこない。 杉林にアカゲラの巣がある。林道から見通せるので、車の中に潜んで観察を続 けることができ、子育て中のアカゲラを脅かすこともない。給餌は20〜30分に 一度の割りで行われている。運んでくる餌は幼虫だったり蜘蛛だったりで、ヒ ナがまだ小さいことが想像できる。巣穴の中からヒナのチーチーという鳴き声 もよく聞こえる。 餌を運び入れる際は、いきなり巣穴に飛び込むようなことはしない。少し離れ た位置に一旦止り、周りの様子を注意深くチェックしたあと巣穴に頭を入れる。 餌を与えると自分も巣穴に入り、中のクリーニングを手早く行う。 出るときも周りの様子をチェックし、留守中の安全を確かめてから飛び出す。 ヒナの糞が溜まっているときは糞をくちばしにくわえて出てゆく。今回観察し た時間内では、給餌はすべてオスが行った。メスはしばらく骨休めしているの だろうか。 一度カケスが近くに来た。スギに開いたキツツキの巣穴はしばしば見かけるが、 やはりブナやトチノキといった広葉樹の森で見るほうが似つかわしい。 【撮影データ】 02/Jun/12 D90+VR300F2.8 |