前日車を運転していて、国道を横切るカモメspの存在が気になった。海から少 し入った内陸部でも、田植えが一斉に行われている。田植え時の田んぼはよほ ど魅力的な餌場になるらしく、たくさんの鳥が群がってくる。海辺ではアジサ シが田んぼに入ってくるのもこの時期だ。 前日チェックしたエリアに、午後からぶらっと出かけてみる。代掻きの田んぼ に白いカモメspが群れているのが見えた。この時点でアジサシの線が消え、近 づいてみると案の定ウミネコだった。ウミネコは色が白いだけで、まったくカ ラスと同じ行動を見せる。 海は波が立って、岩場ではキアシシギ3羽とシロチドリを見ただけ。特徴的な 声がした沖を見れば、2羽のチュウシャクシギが東に飛んでゆくところだった。 ミサゴが現れ、少しホバリングしてから海面に落下した。水しぶきが上がらな かったので失敗したのかなと思ったら、しっかり獲物を掴んでいるようだった。 ミサゴの獲物はトビウオだった。狩の様子からして、水面を飛んでいるトビウ オを空中で捕獲したようだった。トビウオにしてみれば実にアンラッキーな出 来事に違いない。海から飛び出して、気持ちよくかどうかは知らないけど、滑 空しているときに突然空から襲われたわけだ。 トビウオを掴んだミサゴは、地上の私に見せびらかすように、真上を何度か旋 回してから飛び去った。このカットは、ミサゴが空中で飛魚サーフィンしてい るようで面白い。 ミサゴに掴まれたまま空を飛ぶトビウオは、先ほどまで低く飛んでいた海の上 を見つめているのだろうか。思いがけず高く飛んだ空で、どんな気持ちでいる のだろう。トビウオの最後の空は、青く澄んでいた。 【撮影データ】 13/May/12 D90,Nikon1V1+VR300F2.8 |