自然界には面白い生き物が沢山いる。彼らの行動は採餌と繁殖であり、進化の 過程で様々な行動パターンが生れた。クモの世界でもユニークな餌採りをする 種の一つがムツトゲイセキグモ。網を張って獲物が掛かるのを待伏せするクモ が多い中で、こいつは投げ縄よろしく、垂らした一筋の糸を振り回して獲物を 絡め捕る。 これが投げ縄を出しているところ。第2肢から鉛直に下ろされた糸は、先端に 複数の粘玉を従える。粘玉をオモリにして糸をブンブンと回転させるのだ。 獲物が糸に絡まるのか、実際は粘玉の粘着性を利用するのか、獲物を捕らえる 瞬間を目撃していないから分からない。 先の写真で、上の粘玉に向かって小さなクモが伝っているのが分かる。このカッ トを撮影したあと、しばらく時間をおいて見たときには、すでに2つあった粘 玉が1つに減っており、小さなクモの姿も無かった。(トップ写真) このことで、粘玉に小さなクモが捕まって引き上げられ、ムツトゲイセキグモ の餌食になったのではないと思ったが、あくまでも想像の域を出ない。いつか 捕獲の瞬間を撮り残しておきたいと、案内してくれたY氏と話し合った。 今回のムツトゲイセキグモはY氏が自分のフィールドで見つけたもの。Y氏は 昨年もこのクモを観察しているから、よほどの強運の持ち主。今回の個体はY 氏がマークしているうちに一旦は消失し、Y氏の執念で再発見に到った物件だ。 前夜もY氏に案内を乞うたが、風が強くて投げ縄を出さなかった。これがその 時の退避中のムツトゲイセキグモ。仕方ないので、周辺の夜の生き物を撮って 回った。以下、節操なく成果物の掲載。 コスズメ シロオビドクガ ヤマクダマキモドキ ハラビロカマキリ幼? ヒメジャノメ ハンミョウ アブラゼミ コゲチャオニグモ オニグモ ワキグロサツマノミダマシ 未同定のクモ幼体 【撮影データ】 19-20/Aug/06 豊岡市 D2X+SP90 |