六方田んぼに農作業の人が戻ってきた。競うように、アチコチでケリが卵を温 めている。運悪く抱卵中に田起こしされたり、水が張られたり、抱卵が中断し てしまうことも少なくない。それでも、ケリはそんな人の動きも学習しつつ、 当地で着実に個体数を増やしてきた。今や、豊岡盆地を代表する野鳥にまで成 り上がったといってよいほどだ。 冬季湛水田の畦にケリの巣を見つけた。卵は1個。シグマのワイドマクロレン ズを着けてノーファインダーで撮ってみたのがトップ写真。同じ巣卵写真でも、 やっぱり背景が見えると俄然面白い。ケリは普通4個の卵を産むから、これか ら産み足されるのか、あるいはすでに3個はカラスかヘビにヤラレてしまった のか… この卵の親鳥*が、私が巣に近寄った間、心配げに遠巻きにしていた。車に身を 隠すとすぐに抱卵姿勢*に戻ったが、威嚇飛翔や金切声で目だつ存在のケリも、 こうして地面に伏せているとまったく地味な存在感だ。 【撮影データ】 02/Apr/06 六方田んぼ D2X+SIGMA17-70,*VR80-400 |