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苦労の巣づくり

コウノトリ
コウノトリ* (コウノトリ目コウノトリ科/White Stork)
六方田んぼを活動拠点にしているJ0232♂とJ0296♀のペア。週初めより、いよ
いよ巣づくりの行動が始まった。黙っていても報道各社がニュースを流すから
ここで改めて書くことも無いのだが、なにせ今シーズンは他に鳥ネタがないの
で仕方なくといったところ。

土曜朝、雪の上がった六方田んぼ。いつもの電柱に2羽がいた。すでに何台か
の観察車が待機中。巣材を運ぶのはもっぱら♂の232の役目。♀の296は
電柱に止まったまま見守っているだけ。(トップ写真)

このカットは私の絵コンテにあった1枚。左に円山川堤防決壊箇所、堤防の下
に救出劇で有名になった住宅。1年以上経った今でも当時のまま放置されてい
るが、なにか訳があるのだろう。生々しい記憶を背景に、幸せを運ぶと言われ
るコウノトリがそこを歩いている。今なお消えぬ悪夢を癒すかのように。
とまあ、そんなイメージの1枚。本当はもっと寄ってワイドで撮りたいけど。

午後になって自宅を出る。缶コーヒーを買うために車を降りて空を見上げたら、
なんと自宅の上空高くにコウノトリが舞っていた。寄せて撮ったカットを見て、
右翼の風切の欠損状態からJ0294♀と写真鑑定した。このあたりが294の最近
のお気に入りエリアらしい。

翌、日曜の朝も前日と同様。休日とあってギャラリーはさらに数を増している。
232♂が巣材を運び296♀が見守るという行動が繰り返されている。
このカット、コウノトリの下の建物は旧豊岡病院である。市街地を背景に巣材
を運ぶコウノトリというも絵になる。

突然平和が乱れた。2羽が激しいクラッタリングで威嚇した相手はJ0294♀。
ここのペアの様子を偵察しがてら、294が自分のお気に入り場所に向かう様
子だった。ペアの一羽がすぐに294の後を追って南に姿を消した。もう一羽
の様子は把握できなかったが、とりあえず飛んだ方向に行ってみることに。

上鉢山地区南の田んぼで上空を舞う2羽のコウノトリを発見。たまたま出くわ
したらしい親子が空を指差して嬉しそうだった。このカットは、コウノトリに
気付いて大喜びの子供が大きく両手を降っている場面なのだが、あまりに距離
がありすぎてこの時の様子を伝えられないのが残念。写真鑑定で巣づくり中の
ペアであることが判明。邪魔者を追い払ってランデブー飛行中といったとこと
か。旋回しながら北に消えた。

午後遅く車で出かける際、通り道の造巣現場に寄ってみる。追跡隊の車が対向
で止まっているほかはギャラリーもいなくなった。ほぼ真下から232の姿を
撮影したのがこれ。ニュースになったが、実は2日前に関西電力の手で運び込
まれた巣材が撤去された電柱なのだ。232はよほどこの電柱に執着があるよ
うだ。新たに設置された鳥除けバリアも何のそので、巣材を運び続けていた。
再び撤去されるだろうが、放鳥ペアの人工環境での巣づくりも人の介在で思う
ようにはさせてもらえない。近くに人工巣塔の建設も検討されているようだ。

追記:25/Feb/06
2月24日、232が巣材を運び上げていた電柱の南東の農道上に人工巣塔が
早くも立てられた。このままでは6000Vのトランスでコウノトリが感電し
てしまうおそれが出てきたため、県側がスピーディな対応を行ったものだ。


【撮影データ】 18-19/Feb/06 六方田んぼ D2X+VR18-200,*ED600F5.6