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神社にて

カナブンとヒラタクワガタ
カナブン(左)とヒラタクワガタ(右)
アオバズク繁殖中の神社、数日前より親鳥の姿が見えなくなったと連絡があっ
た。しっかり探してみようというので仲間のY氏と待ち合わせた。前週末に両
親揃って巣穴の外で観察されたことから、少なくとも抱卵の時期が完了して育
雛期に入っていることは確か。雛の成長がどこまで進んでいるのかは分からな
いが、ひょっとして、もう巣穴を出てしまったのでは?と考えてしまう。

結局巣穴近辺のケヤキの枝にはアオバズクの姿を見つけることが出来なかった
が、その後のY氏の夜間調査で親鳥と雛の鳴き声が巣穴で確認されたことから、
ヒナはまだ巣穴に留まり、見張り役の親鳥は定位置を変えたのだろうという結
論になった。

鳥以外の生き物撮影にも熱心なY氏と一緒に、境内を探検して回った。カシの
老木の樹液にはカナブンとヒラタクワガタが集まっていた。(トップ写真)
子供たちに見つかれば、クワガタはたちどころにだ捕されるに違いない。
少し時間を置いて再び見回るとタテハ蝶が寄って来たが、オオスズメバチに追
い払われてしまった。単独で吸蜜中のオオスズメバチは脅かさない限り、襲っ
てくることはないとY氏。至近距離からリングストロボを焚いて撮影している。
私も及び腰でなんとかワイドマクロ撮影。隣の建物は製粉工場。ゴトンゴトン
と機械の回る音が聞こえている。
大きく張ったカシの根元に目をやると、ツチガエルがじっと固まっていた。
いぶし銀カラーの、なかなかしぶいカエルだ。

探検はさらに続く。狛犬の股の間に卵のうを抱えた小さなクモを発見。Y氏が
指でつつくと卵から離れた。腹が扁平なカニグモの一種だ。帰宅後の図鑑調べ
でキハダカニグモだろうということで納得している。

しばらく雨が続いたのでキノコの発生も目立つ。これは撮っても分からんから
撮るなとY氏にたしなめられながら撮ったキシメジsp。同定はともかく、この
ようなアングルで撮っておくと神社の環境も少しはわかるだろう。東向きの幹
の根元に出ている幼菌はコフキサルノコシカケらしい。このカットも背景が楽
しい。

神社裏のちょっとした森では、サクラの幹にヤツメカミキリが寄っていた。
撮影しようとレンズを近づけると逃げられて、斜面のカエデの葉に落ちたとこ
ろを蚊の猛攻にあいながら撮ったのがこれ。

昆虫少年が日本から消えて久しいが、見よ!昆虫オヤジは健在であるぞよ。
これからしばらくは虫に向かおう。

【撮影データ】日高町 17/Jul/05 E5000+WC-E68