今年はオオルリが少ないような気がする。鳥仲間のY氏とそんな話をしている。 オオルリの声の密度が低いように感じる。何らかの理由で到着が遅れているだ けかも知れない。 オオルリの上面の羽根色はマジカルである。天気がよくても、太陽光の反射角 によって色が全然違って見えるのだ。オオルリ・ブルーを綺麗に撮りたいとい うのは、野鳥写真家の共通の願いでもある。カワセミのコバルトブルーとは違 う深いブルーがオオルリの魅力。 そのためにはオオルリを目線の高さ以下で捉える必要があるが、そのようなシ チュエーションは簡単に見つからない。ローカルな峠道、窓を開け放って走っ ているとオオルリの声が近くで聞こえた。道端に車を寄せて確認。峠道はこの 先ヘアピンカーブとなって、路肩からこのオオルリのテリトリを見下ろすこと ができる。 このオスのテリトリは谷に沿った200mほどのエリアであるようだ。転々と 移り飛んでは囀るポイントをチェックするとそんなことが分かってくる。 この写真は直線距離で100mほど向こうの木で囀る様子。正面を向いたオオ ルリはお腹の白でその存在がよく分かる。 道路横の上空に渡されたワイヤーは木材を山から下ろすためのもの。オオルリ の巡回コースの中でもこのワイヤーの上というのは特にお気に入りの場所だ。 谷全体がよく見渡せるし、歌声も谷によくこだまする。ここに止まって囀るオ オルリを太陽が正中近くまで昇った時に撮ると今回のようなオオルリ・ブルー が出る。 縦位置で撮ったカットを2枚。正面と背面。谷の新緑に映えたオオルリ・ブルー が早くも初夏を感じさせる。この場所で今期初のサンコウチョウを聞いたこと も記録しておく。 【撮影データ】京丹後市 08/May/05 MZ3+TSN-824M |