豊岡盆地の田んぼでは、秋分の日の休日ですっかり稲刈りが終わった。刈り跡 の田んぼを通ると、イネの香ばしいにおいがする。 やたらに白っぽいセグロセキレイが電線に止まっているのに気付き、車を路肩 に寄せた。その鳥は車の横の田んぼに下り、餌をついばみはじめた。 スコープで観察すれば、どうやらハクセキレイの亜種ホオジロハクセキレイで あることが判明。通常のハクセキレイは上面が灰色っぽいこと、黒い過眼線が 目を通っていることで、この観察個体とは区別できる。体全体はセグロセキレ イに酷似していながら、頭部は過眼線無しのハクセキレイといった鳥だ。 正面顔は、白い頬かむりをした鼠小僧のようでもあり、横からの頭部のイメー ジはコムクドリ(撮影:2003年5月4日@出石川)を初めて見たときの感覚に似 ている。白い頭と黒い目が、私には頭蓋骨のように思えたのだ。 後日、但馬野鳥の会のHさんに確認したところ、ホオジロハクセキレイは豊岡 盆地で繁殖しているようだとのコメントを貰った。盆地内の別の場所での観察 が会の記録に残っている。 【撮影データ】 23/Sep/03 出石町、 DSC-MZ3+TSN-824M |