昨年、但馬海岸に漂着したギンカクラゲが本庄四郎氏により紹介された。その 時はじめてユニークな形をしたこのクラゲの存在を知ったのだが、9月23日 の箱石海岸で本物に出会うことができた。 もともと黒潮に乗って漂流するクラゲで、この近辺への登場はごく最近になっ てからのこと。ギンカクラゲの事情も、他の南方系生物の北進現象と同じこと なのだろうか。 波打ち際に沿っておよそ200mの長さに渡って、ギンカクラゲが点々と打ち 上げられている。銀貨の周りは青いビラビラが密生しているが、手で触るとす ぐにポロポロと落ちてしまう。青いビラビラの付いた状態は、銀貨というより はビニールを付けたままの牛乳ビンのフタのようである。 1週間経って現場に出向いて見れば、あんなに沢山あったギンカクラゲの姿は 跡形もなく消えていた。溶けて無くなってしまったのか、鳥か何かに食べられ たのか、再び波によって海に戻ったのか。海の新陳代謝は早いと感じるが、一 方では打ち上げられたおびただしい量の化学物質のゴミが、いつまでもそこに 存在し続けているのである。 【撮影データ】 23/Sep/02 箱石海岸, COOLPIX5000 |