初夏に楚々と

ササユリ
ササユリ
梅雨の晴れ間の広がった日曜の午後、ササユリを求めて愛宕山を歩いた。
山と名のつくものを歩くのは4月の三川山以来だ。忙しさにかまけているうち
に、季節は夏へと移ろってゆく。むっとする午後の空気の中、老いたスダジイ
の林をゆっくり登る。

10分ほどで鶴城跡の広場。眼下の豊岡市街地を見ながら冷たいお茶を飲んで
一服。広場にはノアザミとホタルブクロがたくさん咲いていて、時折蝶が蜜を
吸いにやってくる。神社の裏手から伸びる尾根伝いの遊歩道に向かう。キビタ
キの声が高い梢の上から降ってくる。

東屋の先で、遊歩道の脇に咲く一輪のササユリに出会った。もうかなりくたび
れた感じではあったが、薄紅の楚々した姿はなお美しい。少し先の別の東屋の
そばにも終わりかけのササユリを見つけた。森からはサンコウチョウの声が聞
こえ、ホトトギスがすぐ近くで鳴いた。

夏はすぐそこまで来ている。
【撮影データ】 18/Jun/00,DSC-SX150(+ Kowa TS-502/Zoom)