3度目の蘇武岳登頂はMTBで 
 兵庫県日高町出身の植村直己氏が高校時代に登った蘇武岳。  私が、初めて登ったのは1992年秋。時間の読みが甘く、下山したときには真っ 暗になってしまった。  2度目は今年の3月。残雪の季節に、スキー登山。  今回は3度目、MTBでの登頂をねらう。 ************************************************************************* 【山 名】蘇武岳[標高1074m](兵庫県日高町、村岡町) 【日 程】1997年6月8日(日) 【行 程】[  ]はサイクルコンピュータに内蔵の高度計からの標高データ(単位:m)  日高町名色[335]11:35 - 12:00稲葉 - 12:55林道交差点[785]13:17 -  13:45奥神鍋スキー場ゲレンデ[905] - 14:35蘇武岳登山口[1095] -(登山道)-  14:52蘇武岳山頂[1167]15:23 -(登山道)- 15:30登山口 - 15:57金山峠[917] -  17:05林道出合[880] - 17:15(迷走1.3km)17:25 - 17:35名色[408] 【地 図】2万5千図「栃本」、昭文社エアリアマップ(1/5万)「氷ノ山 鉢伏・神鍋」 【距 離】37.4km 【速 度】平均:10.4km/h  最高:36.3km/h 【タ イ ム】6時間00分(実走時間:3時間36分) 【メンバー】S、はいかい 【天 候】曇(ー_ー) *************************************************************************  9時半頃、丹後出発。スーパーで食料を買い出し、スキー場が並ぶ神鍋高原に クルマをデポジットしたのは11時過ぎ。遅いスタートだが、何といっても日の長 さが心強い。  しかし、丹後をでるときには青かった空も、神鍋高原に到着したときには曇り 空。「昨日は良かったけどなぁ」「でもまあ、日焼けせんですむからええわ」と言い ながら出発準備。  アップをかねて高原をのんびり走り、最奥の稲葉(イナンバ)から林道にとりつ く。登りがきつい。  登り初めてすぐ、道端に止めてあるおびただしい数の車と、焼き肉の匂い。左 側の沢のほとりに、“アウトドア”を楽しむ人たちの姿。それを後目に喘ぎ喘ぎ 登る。周囲の山は深まる。うっそうとした木立を抜けると、空が見え始め稜線が 近づく。  村岡との町境(但馬中央山脈の尾根)は、林道交差点。真っ直ぐ村岡、右三川山 (行き止まりの表示)、左蘇武岳方面。ここで記念撮影をかねて休憩。私より先行 していたSは、ちょっと時間を持て余し気味。  ここから稜線を南下。南下といっても、道は登り。バラスが浮いたきつい登り では、前輪と後輪への体重の振り分けが難しい。前に体重を乗せハンドルを押さ えないと前輪が浮く(ウイリー)。しかし、前に乗せすぎると、後輪が空回り。ふう 〜、エラ。  奥神鍋スキー場最上部の栃の木ゲレンデで急な登りは一段落。あとはゆるく登 る。冬には、コブのできる上級者バーンを林道が横切る。スキー初心者のSは、 「凄く急だな」と言う。私も、スキーをはいて立っているときよりも急に感じる。  左の神鍋高原は、田植えを終えた田んぼが鏡のように光る。新緑は鮮やか。大 岡山越しの、丹後半島、犬ヶ岬がうっすら。白い季節の方が景色ははっきり見え た。  林道は、稜線の直下を東から西へと移り、今度は右手の景色が開ける。右の氷 ノ山はぼんやり。緑の鉢伏もいまいち。前方に、蘇武の山頂が見えた。  奥神から先は山スキーでも歩いたが、さすがMTB早い。どんどん蘇武の山頂近 づいてくる。  林道最高地点が、蘇武岳登山口。左に分かれる登山道にはいる。いきなり担ぎ でスタート。途中主に押し。ブッシュの中を突き進む。最後のほんの50m程は乗 車。  やっとついた山頂は風が吹き寒い。先に着いていたS大の字に横たわってい る。スタート地からの標高差は800m、距離は18km。結構ハード!?  スーパーで買ってきた食料を食べて、周辺の山を同定してから出発。でも、か すんでいて景色はいまいち。  先週の高竜寺ヶ岳で転倒して膝を擦りむいたのに懲りて、バレーボール用のサ ポーターを膝に付けて下山。登りは押した登山道は、ほとんど乗って下れた。  林道に戻り、さらに南下。金山峠まで一気の下り。高速で飛ばすが、バラスが 浮いていて、前後のタイヤが滑り必死である。ところがSは、なんともないと言 う。この走りの差がきっかけで、帰ってからタイヤを変えた。  金山峠から左折して、名色へ。幾つもの林道が絡み合い、複雑である。それも 下りばかりでなく、登りもある。山頂を過ぎた時点で、「あとは下り!」という気 持ちになってしまうので、この登りは精神的にきつい。山深い、荒れたダートを ヒイヒイ言いながら進む。  ミスコース(途中名色スキー場ゲレンデに向かう道があるので行ってみたら、 途中で行き止まり)を経て、神鍋高原のキャベツ畑に下りた。  「君、ここから産まれたの?」「いや、コウノトリが運んできた」        *          *        *  登山とはいえ、林道主体でMTBを充分楽しめた。舗装6km、ダート林道30km、 登山道1km、といった感じで、ほとんど乗車で行けた。  3月の山スキーがちょうど下見となった。  MTBで登頂した山では、一番高い山。「歩き、山スキー、MTB」と、“一粒で3度 おいしい山”はこれで3つ目(大江山、小金山、蘇武岳)となった。       ☆丹後の國☆CXJ03743@niftyserve.or.jp《はいかい》 ↑ ページトップへ