但馬・蘇武岳に登る
 マウンテンダンスさんのご指名を受け、蘇武の情報を調べている内に、自分  でも登ってみたくなり、実に20年振りに蘇武岳登山を楽しんできました。   【目的地】蘇武岳(1074m)   【登山日】1993年10月10日(日)   【天 候】快晴 (^_^)   【コース】名色林道を経て蘇武岳山頂(ピストン)   【マップ】エアリアマップ「氷ノ山・神鍋」   【メンバ】私、配偶者、長女(7才)、長男(6才)、次男(3才)   【タイム】         9:00 自宅発 9:50 名色林道680m地点着(駐車) 10:00 登山開始 10:20 林道二股通過 10:30 蘇武岳登山口 12:05 蘇武岳山頂着 12:55 〃 発 14:15 蘇武岳登山口 14:50 名色林道680m地点着  *名色林道へのアプローチ   神鍋高原に続く道を、「名色・万場スキー場」の大きな立て看板のある三   叉路で左に入ると、名色高原スキー場が目の前に現れる。左手の田圃の中   に小さな発電所の建物が見えるので、左に入る脇道をこの建物を目指して   進む。稲葉(いなんば)川にかかる短い橋を渡って、すぐに左に折れると、   発電所に着く。林道の入口は、この先を少し入った所にあるが、分かりに   くい。右の山裾から上の延びるコンクリートの細道が、名色林道の入口で   はあるが、この入口の所にはチェーンが用意されており、いつでも閉鎖で   きる状態にある。また通行規制の看板が立っており、一般車の通行が禁止   されている。当日は、幸いにしてチェーンはかかっておらず、車を入れる   ことはできたが、通行規制を無視して入っているという、罪悪感はつきま   とう。従って、通常は発電所の駐車場に車を置いて、林道を最初から歩く   のが正当な登り方である。  *名色林道から登山口へ   ともあれ、林道に入ってしまったのだから、進めるだけ車を進めることと   する。道は車一台がやっとの広さで、対向車が来ようものなら相当の難儀   を強いられる。実際、4台続けて下りてきた車とのすれ違いに、冷汗を流   した。この頃から、同乗者の不安がしだいに膨れ始め、雨に洗い流された   赤土の割れ目にさしかかる度に、表情がこわばって行く。「但馬の自然」   のガイドにあった、入口から2kmのゲートにさしかかる。山火事注意の   横断幕。チェーン用のポールがある。左側には車2台程度の空き地がある。   この日は、このゲートにもチェーンは無く、さらに車を上げる。このゲー   トから上の道は、ますますひどい状態で、オフローダでないと厳しい。ち   なみに、私の車はレガシーワゴンであるが、2度ばかり腹を擦った。標高   680mのあたりまで来たところで、同乗者達はついに我慢の限界に達し、   この先は歩くことで意見が一致。展望のよいカーブの所にある広めの駐車   スペースに車を置き、ようやく登山の開始となった。   20分歩いた所で林道は二股に分かれる。蘇武岳の道標に従ってが左に進   み、約10分で登山口に到着する。大きな道標があるので見逃すことは無   い。ここにも車一台分の空き地があるので、ここまで車を入れれば林道歩   きは無しとなるが、前述のような状況なのであまりお勧めしない。  *蘇武岳登山道   林道から分かれて右に入る。道は細いが、良く踏まれており、道標やテー   プをたよりに快適な山歩きが楽しめる。尾根の取っつきで少しきつい所が   あるが、小さなアップダウンを繰り返しながらゆっくり高度を稼いで行く。   登山口から約1時間歩いたところで、突然林の中から林道が見えてくる。   この林道は、金山峠から蘇武岳ピーク直下を経て、さらに北に延長工事が   進められている道で、当日もチェーンソーの音が悲しく聞こえていた。   ここからピークまでは約30分。僅かに残された、ブナの原生林の中を巡   る道をしばらく楽しむ。森林が切れたところで、ススキ野に囲まれた蘇武   岳のピークが現れる。直下の急登を一気にかけ登ると、標高1074mの   蘇武岳山頂である。なお、途中、水場は一箇所も無い。  *蘇武岳山頂にて   蘇武岳は、私の住む豊岡市や隣の日高町からもよく見える山で、山頂から   東方向の眼下にこれらの町並みが広がる。北に三川山のパラボラアンテナ、   南に遠く氷ノ山・鉢伏連山が見える。西は村岡の谷を隔てて、瀞川山が目   の前にある。当日は霞んで見えなかったが、北には日本海が遠望できるは   ずである。植林のスギで、南側の展望はあまり良くない。   当日、山頂には1張りのカマボコテントが張られ、電動で回転する大きな   アンテナが設営されていた。ハムの交信音と発電機の音が、趣味を持たな   い私にとっては耳障りであった。以前にも報告したように、林道から10   分たらずで山頂に上がってこられるため、蘇武岳はハムの連中によく利用   されているらしい。一人の男性が我々に声をかけて来て、今朝の雲海が素   晴らしかったことを話してくれた。これからの季節、北但馬地方では毎朝   のように濃い霧が発生する。なるほどここは、雲海を楽しむには絶好の場   所である。  以上のような山行きでした。3才のチビスケには、始めて全行程を自分で歩  かせた登山でしたが、しっかりした足取りで親を驚かせてくれました。コー  スタイムもほぼマップ通りでした。今回は林道を車で利用させてもらいまし  たが、この林道、道が細い分、回りの自然がよく残されている方で、下から  歩いても結構楽しめると思います。会話をしながらの1時間半は、それほど  苦痛にはならないと思います。  ブナの紅葉が始まりかけており、黄色の葉が青空に一際美しかったです。  但馬地方の紅葉は、10月の終わりから11月の始めにかけてピークとなり  ます。そのころめがけて、今度は家族そろって氷ノ山に挑戦したいと思って  います。  マウンテンダンスさんご一行は、今回の蘇武岳登山を断念されたのですね。  今回の私の報告が、次回の計画にお役にたてれば何よりです。 93/10/12 CATHY(GAB02525) ↑ページトップへ