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3年ぶりのブナ林、扇ノ山



小ズッコブナ林

ザックに荷物を詰めていると、1週間ほど前から行方不明だったペンケースが、
ポケットからひょこっと出てきて嬉しかった。しかし、なんでこんなところに入
れたのか、いまもって不明である。深い朝霧の中を出発。豊岡盆地を抜けると青
空だった。

海上林道が崩落で通行止めになっていた期間を挟んで、3年ぶりの扇ノ山であ
る。海上集落手前の棚田はいつもの撮影ポイント。里の紅葉には少し早いが、
見上げる稜線は美しく彩られている。

ススキの穂が揺れる上山高原を越える。前日のイベントはたくさんの人でにぎ
わったようだ。ショウブ池を見下ろす。山頂に向かって、艶やかな錦模様が続
く。林道沿いの紅葉も見ごろで美しい。小ズッコ登山口の駐車エリアには先客
2台。うち1台は仲間の車だった。新しい広角レンズを試しに来たのだろう。

小ズッコ小屋への最初のアプローチも、いい具合に色づいている。小ズッコの
古いブナ林の大木が迫ってくる。大ブナを見上げると、青空に紅葉が美しい。

3年ぶりの小ズッコのブナ林散策を楽しむ。葉は黄色から茶色へと移ろいゆく
途中。後発の別団体に追い越された以外、登山道では人に会うことのない、静
かな山歩きを満喫した。所々で盛りのブナ黄葉に目を奪われる。

5本立ちのじいちゃんツリーも3年ぶり。一息ついてから、もうワンピッチ。
大ズッコのピークを越える。こちらのブナ林はすでに葉を落としたものが多い。
1310m扇ノ山山頂は、さきほどのパーティがお昼を始めていた。なんでも、
300名山制覇を目前にして山旅を続けておられるのだとか。避難小屋を覗く
と階段下に山靴が脱いであり、予想どおり仲間のHさんが上がっていた。八東
町の登山道から男性1名、大ズッコ側から年配夫婦が到着され、しばし賑やか
な山頂となった。

オニギリとラーメンの昼食を済ませ、来た道を引き返す。登りでは足元しか見
えていなかったのが、下りでは沢山のナナカマドが頭上で赤い実をつけている
のに気づいた。午後から雲が出てきたが、天気は大きく崩れることなく続いた。
秋の花は目につかず、長く雨が降らない山はキノコの出も悪い。ようやく見つ
けたのがこのキノコ。

小ズッコの変形ブナのいくつかに、生きものの顔が重なって見える。
冠をかぶったゾウ?
キリンさん?
山頂から1時間半の歩きで車に戻った。

帰りの車をゆっくり転がしながら、午後の光に映える林道沿いの紅葉を楽しむ。
ショウブ池には5羽のオシドリ(矢印)を確認した。上山高原から下のアプロ
ーチは、紅葉の盛りには少し早い。いつものビューポイントで海上の棚田を見
下ろし、3年ぶりの扇ノ山を後にする。

※D7000+SIGMA10-20

 【 登山日 】15年10月19日(月)
 【 目的地 】扇ノ山(1310m) 
 【 山 域 】但馬
 【 コース 】小ズッコ登山口よりピストン
 【 天 候 】晴
 【メンバー】たじまもり+妻たじま
 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照)
 【 タイム 】小ズッコ登山口P10:10…扇ノ山ピーク11:45-12:30…P14:00