雪不足の大江山連峰
 大江山連峰の鍋塚と鳩ヶ峰の山頂からの滑降を目論み、2月8日に山スキーを 持って挑んだ。  しかし、その日は強風が吹き荒れ、海岸では釣りの若者が波にさらわれ、一人 亡くなり、一人は未だに不明という惨事。とても山スキーを楽しむどころではな く、辛うじて鍋塚に登っただけであった。  その後、晴天や雨の日が訪れ、ただでさえ少なかった雪が一週間でさらに痩せ 細ってしまった。  滑れるかなぁ。そんな懸念が、行動をダラダラ緩慢にさせ出発が遅れていく。 どう考えても、これが最後のチャンス。何とか滑りたいんだが…。 ************************************************************************* 【日 時】1998年2月15日(日) 【山 名】鳩ヶ峰 746m(大江山連峰) 【行 程】大江町 11:50千丈ヶ原12:30 - 13:30鳩ヶ峰と鍋塚のコルの小屋 -  14:05鳩ヶ峰山頂14:15 - 14:35コルの小屋14:55 - 15:30千丈ヶ原 【天 候】曇 【地 図】2万5千分の1 大江山 【メンバー】はいかい(単独) *************************************************************************  千丈ヶ原までのアプローチの道路の雪も、一週間前とはほど違いに雪がなかっ た。なのに、除雪の限界のあたりから道路は木立に囲まれ、その区間の雪解けは あまり進んでいなくて、結局一週間前と同じようなところにクルマをデポ。もっ と奥まで行けると思ったのにィ(;_;)。  山にはガスがかかり、時間も遅いからスキーはあきらめムード。しばらく、周 囲の雪の深さを偵察したが、もう無理とスキーはクルマに残し、トレッキングシ ューズの上にスパッツを着用して出発準備。  不意に「山スキーですか?」と声がかかる。さっき偵察していたときに見た、 このすぐ奥のロッジの人だ。たまに雪に埋もれた無人のロッジを手入れに来てい るようで、一昨年にもここから山に入ったときにロッジの前で挨拶を交わした覚 えがある。顔を覚えているわけでないから、そうと言い切れるものではないが。  「もう遅いし、ガスもかかっているから、山スキーはヤメです。上の小屋まで 行って、ラーメン食べて帰ります」と答える。「こんな日は、山に入っても面白 くないしねぇ。」はい、ごもっとも。  この先車道は二手に分かれ、一方は鬼嶽神社へ、もう一方は鍋塚と鳩ヶ峰のコ ルへと続く。  鬼嶽神社からは、大江山連峰最高峰の千丈ヶ嶽(狭義での大江山はこれ)への 登山道が延びる。  鍋塚と鳩ヶ峰のコルには小屋があり、これをベースにすると少々降っても快適 な山行きができる。今日はその小屋が目標。  分岐を右にとり、鍋塚鳩ヶ峰のコルを目指す。上の方は日当たりがよいのか、 道路の雪が薄い。完全にアスファルトが出ているところもあった。  登るに連れガスが晴れ、山がくっきり見えてきた。  1時間で小屋に到着。ありゃ、スキーを担いだときとそんなにかわらんぞ。  天気が良くなったので、そのまま鳩ヶ峰方面へ少し歩く。雪はそんなに深くな く、スキーなしでも十分行ける。深いところですねくらいだ。  林間のアップダウンを越え、鳩ヶ峰の登りにとりつく。しばらくすると、山頂 の道標が見えてきた。  ガスが晴れて展望がよい。日本海、伊根湾。そして磯砂山、高竜寺ヶ岳、金剛 童子山、はるか依遅ヶ尾山、など丹後地方の名峰(500〜700mの低山だが)を確 認する。  天候はOK。しかし、雪が少なくて、スキーをおいてきたのは正解。  山頂の反対方向の、すぐそこに千丈ヶ嶽がある。けど、今日は行く気ない。  小屋まで戻り、湯を沸かしラーメンを食べて下山。下りは早い。車道の傾斜は 緩いので歩くのに有利。雪があるときにスキーで下るのと同じくらいのタイムで 下山。  一昨年始めて大江山に通いだした頃は、積雪も豊富、週末には天気にも恵まれ て素晴らしい山行きを重ねた。が、どの斜面が格好に向いているのかわからな い。ただ、それまでこの季節に訪れたことのなかった白い山に登るだけで良かっ た。  その中で出会った人から聞いた、「山スキーに良い斜面」を滑ろうと去年今年 と試みるのだが、積雪と天候に恵まれない。  今シーズン最も条件に恵まれたのは2月11日の祝日。しかし、その前の大江山 行きでシールがダメになり京都市の山スキーの店へと行ったのだった。その日が 最後のチャンスというのは、皮肉なことだった。  今では、麓から見上げる大江山には雪などない。もう完全に春の山だ。どうな っているんだ、今年は!確実に、半月は早い雪解けだ。  というわけで、来年に持ち越し(^^)。   ☆丹後の國☆CXJ03743@niftyserve.or.jp《はいかい》 ↑ページトップへ