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朝から時折小雨のパラつくあいにくの天気。10時半の集合を呼びかけて集 まったのは結局よっくん親子だけだった。予定通り、4人で歩き始める。幸 いなことに雨は落ちてこない。今日の目的は、昨年大規模盗掘にあったとさ れるカタクリ自生地の様子を確認してくること。植物に詳しいよっくんの同 行とあって、道々の植物観察も楽しみだ。 すぐに目を引いたスミレはオオタチツボスミレ。今までタチツボスミレと識 別できずにいたが、その違いをきっちり教わる。ナガハシスミレ、スミレサ イシン、ヤマルリソウを見ながら堰堤の上の渓流を渡る。ニリンソウが綺麗 に咲いている。エンレイソウもたくさん目に付く。キクザキイチゲが咲いて いなかったのをよっくんが悔しがった。 シャクナゲコースの急登、さきほど下山して行ったグループの女性が、シャ クナゲがとても綺麗だったことを教えてくれた。すぐにシャクナゲが現れる。 なるほど見事に咲き誇っている。登山路を覆うように、つぼみから満開まで シャクナゲピンクのグラデーションが新緑に映えて美しい。何度も感嘆の声 を上げながらデジカメのシャッターを押す。小3のよっくんJrも元気一杯 で、大人顔負けのギャグを飛ばしながらウキウキと登って行く。 尾根を登り切ったところで一休み。ここからはトラバース道をのんびり行け ばカタクリがぽつぽつ現れた。もう花はほとんど終わっており、鹿の子まだ らの深緑の葉っぱが斜面に目立つ。いつものポイントまで来ると、開ききっ てはいるものの、たくさんのカタクリの花が迎えてくれた。本当に盗掘にあっ たのかと思うほど、昨年の様子と変わらない規模でカタクリが残っているこ とに一同ほっとした。 よっくんと私が撮影に熱中している間に、いよいよ雨は本格的に降り始めた。 カタクリと戯れながらキビタキ、ツツドリの初認。雨の中で簡単な食事をとっ てから急いで下山にかかる。雨に煙るブナ林の新緑が目に染みる。オオカメ ノキの白、シャクナゲのピンクが小さく散りばめられたこの空間は、実に 「たじま森」のイメージの世界だ。いつもは妻たじまに言うセリフを、この ときは仲間のよっくんにも告げる。「私が死んだら、ここに散骨してね」 シャクナゲ尾根の激下り。よっくんJrは時々尻餅をつきながらも、相変わ らずのハイテンションで3人の大人たちを楽しませてくれる。我が家の子供 たち、もう一緒に山を歩いてくれなくなったことが少し寂しい。 下山しながらも、目に付く植物の名前をよっくんに教わる。ヒメコマツが何 本かあったが、毎年この道を通りながら気付かなかった。深い両側の谷から はオオルリ、クロツグミの美しい囀りが聞えていた。シャクナゲに名残を惜 しんで尾根を下り切り、堰堤の階段を降りればゴール。 よっくんが息子を呼びとめた。「これ、おもしろい格好してるだろ。マムシ に見えないか?」 マムシグサを見たよっくんJrの一言に一同ぶっ飛ぶ。 「中に抹茶ポッキーが入っている!とーちゃん」 終始クレヨンしんちゃんモードのよっくんJrは、雨の中のこの日のショー トトレッキングをぱーっと明るくしてくれた立役者だった。 久しぶりの山歩きで、多忙なよっくんもひとときのリフレッシュができたと 喜んだ。我が夫婦も、シャクナゲとカタクリの競演に大いに満たされたのだっ た。 ※この日、よっくんから教えてもらった植物 開花中 オオタチツボスミレ、タチツボスミレ、ナガハシスミレ、スミレサイシン、 ヤマルリソウ、ミヤマハコベ、ワサビ、カタクリ、オオイワカガミ、 ウリハダカエデ、ハウチワカエデ、オオカメノキ、トキワイカリソウ、 コチャルメルソウ、ニリンソウ、ナガバモミジイチゴ、ミヤマカタバミ、 マンサク、ヤマエンゴサク、セントウソウ、タムシバ、ツリガネツツジ 未開花 シハイスミレ、テツカエデ、チドリノキ、アカシデ、イヌシデ、ブナ、 ツクバネガシ、ウラジロガシ、シシウド、オオハナウド、ヒメコマツ、 ジュウモンジシダ、イノデ、リョウメンシダ、キジノオシダ、シシガシラ、 ゼンマイ、キクザキイチゲ、ホウチャクソウ、タジマタムラソウ、 イワタバコ、ナルコスゲ、ツクバネ、スノキ、アケビ、キバナアキギリ、 ミズヒキ、アカマツ、トチノキ、 ※確認した野鳥 ミソサザイ、ウグイス、ヤブサメ、オオルリ、カワガラス、クロツグミ、 センダイムシクイ、キビタキ、ツツドリ、アオゲラ、アカゲラ、コゲラ 【 登山日 】03年4月19日(土) 【 目的地 】三川山 【 山 域 】但馬 【 コース 】三川権現よりピストン 【 天 候 】雨 【メンバー】よっくん&Jr、妻たじま&たじまもり 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照) 【 タイム 】権現10:30…カタクリ自生地11:40-12:00…権現13:00 |