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友と辿るカタクリの道、三川山



カタクリ
カタクリ

 ネットの山仲間あきゆきさん夫妻が、但馬の低山歩きを楽しもうとはるばる
 やってこられた。快晴となった日曜日、カタクリの三川山にご案内した。
 この週末、もともと三川山歩きを仲間と相談していたのだが、あきゆきさん
 の但馬遠征とうまくリンクすることが出来た。
 
 予定時刻に妻たじまを乗せて家を出る。途中のコンビニで食料を調達し、快
 晴のR178を西に向う。下岡から佐津川に沿って谷を詰め、三川権現まで
 車を入れる。権現の広場では、日役の人たちが清掃作業に汗を流しておられ
 た。5月3日の大祭に備えてのことであろう。
 
 あきゆき号はすでに到着しており、身支度中のご夫妻の横に車を付けた。
 ネットの中では毎日のようにお会いしているあきゆきさんだが、こうして顔
 を会わせるのは1999年11月の藤無山オフ以来だ。懐かしい笑顔、芳子夫人も
 相変わらずお綺麗である。
キケマン
キケマン
ニリンソウ
ニリンソウ
 ほどなく萬屋氏が、山仲間のTAさんと彼の息子を伴って到着。簡単な自己
 紹介の後、7名のメンバーで山に入った。タチツボスミレ、キケマン、ミヤ
 マカタバミ、ヤマルリソウ、エンレイソウ、ニリンソウなど、たくさんの春
 野草が目を楽しませてくれる。すでに気温は20度をはるかに越え、今日は
 Tシャツ一枚で充分だ。
 
 丸木橋で川を渡り、Aコースの道標から痩せ尾根の急登に取付く。ここから
 20分弱のきつい登りが続く。一歩一歩高度を上げれば、シャクナゲの花が
 登山路の両側から元気付けてくれる。今年のシャクナゲは、やはり開花が早
 い。しかし、急かされて花を開いたせいか、どの花も元気がなくしおれ加減
 で咲いている。それでも、白っぽいもの、ピンクの濃いもの、あでやかな花
 の色が新緑を背景に美しい。
シャクナゲ
シャクナゲ
イワカガミ
イワカガミ
 シャクナゲの尾根を登りきったところで、後続の到着を待つ。イワカガミや
 トキワイカリソウが咲いている。全員が揃ったところで平坦なトラバースを
 のんびり行く。さっそくにもカタクリが現れたが、もう花を散らせた後だ。
 進むにつれて、ぽつぽつとしおれたカタクリの花が目に付くようになり、ほ
 どなく群生地に到着。
 
 もう終りかけといった感じではあったが、斜面の日陰にはまだ綺麗な花が残っ
 ており、あきゆきさんと二人でしばし撮影モードに。昨年はタイミングを逸
 してこの地を訪れることが出来なかったが、私にとっても2年ぶりのカタク
 リとの再会である。2年前の訪問時もこの群落が広がったと感じたのだが、
 今回さらに大きくなった群生地の様子を見て安堵した。
カタクリの斜面で記念撮影
カタクリの斜面で記念撮影
 それぞれが思い思いにカタクリを愛でた後、あきゆきさんの三脚をお借りし
 て記念写真を撮る。もともと、我々はここで引き返すつもりでいたのだが、
 その計画を予めあきゆきさんに伝えるのを忘れていた。山頂を目指してBコ
 ースで下山するというあきゆき夫妻とは、心残りな別れ方をしてしまったの
 が申し訳なかった。この先のルートをあきゆきさんに説明し、我々は来た道
 を引き返した。
 
 シャクナゲの尾根を下る最中、何組かのパーティとすれ違った。カタクリの
 様子を聞かれたので、見たとおりのことを伝えた。「ほら、やっぱりもう終
 りなんや」とご婦人が仲間に話しながら登っていった。柴犬を連れた男性が
 登ってきた。萬屋さんの愛犬クラノスケを思い出した。老犬となって、もう
 主人と一緒に山を歩けなくなってしまったのが寂しい。後で、萬屋さんがこ
 の男性と交わした会話をことを話してくれたが、神戸から来られた山ザック
 を作っておられるお店のご主人だとか。
 
 三川山、標高888m。昔はマイナーな山だったはずだが、ガイドブックに
 掲載されるようになって人を集める山となった。この山を愛してやまない私
 にとって、そんな様子が少し残念にも思える。"TAJIMANIA Sanctuary"のネー
 ミングは、実はここの森をイメージしているのである。自分だけの聖地であ
 り続けて欲しいと願うのは、あまりに身勝手なことだろうか。
三川の谷を見下ろす
三川の谷を見下ろす
ランチタイムの渓流
ランチタイムの渓流
 谷にオオルリ、コマドリの囀りが響いている。どこからか「ポポポポ」と、
 ツツドリの声が聞こえて来た。今年初めて聞くツツドリだ。渓流の河原に降
 り立ちランチタイムとする。保冷バッグに用意してきた缶ビールを皆さんに
 振舞う。4月半ばでありながらすでに夏を思わせる青空の下、話に花を咲か
 せながらゆっくりと時間を過ごした。
 
 駐車地点に戻り、Bコースを「激下り」中であろうあきゆき夫妻のことを思
 いながら、ワイパーにメモを挟んだ。帰り道、佐津川の河原で大きくなり過
 ぎたコゴミを摘んでお土産にした。


 【 登山日 】02年4月14日(日)
 【 目的地 】三川山中腹
 【 山 域 】但馬
 【 コース 】三川権現よりAコースピストン
 【 天 候 】快晴
 【メンバー】あきゆき夫妻、萬屋正右衛門さん、TAさん親子、
       妻たじま、たじまもり
 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照)
 【 タイム 】自宅8:30…三川権現P(225m)9:45-10:05…Aコース取付き10:18
       …尾根詰(405m)10:35…カタクリ斜面(430m)10:45-11:20…
       Aコース取付き(264m)12:00…(渓流河原でランチ)…P13:07