MTBで若返った高竜寺ヶ岳5月の後半は雨の休日が多かったが、久しぶりに雨の心配のない週末、今シー ズンの目標の山の一つ高竜寺ヶ岳にMTBで挑む。 ************************************************************************* 【山 名】高竜寺ヶ岳[標高697m](京都府久美浜町、兵庫県但東町) 【日 程】1997年6月1日(日) 【行 程】[ ]は腕時計に内蔵の高度計からの標高データ(単位:m) 登山口(久美浜町尉ヶ畑)[250]14:25 - 14:55休み石[390]15:01 - 15:07尉ヶ畑峠[475]15:15 - 15:55高竜寺ヶ岳山頂[680]15:28 - 14:45尉ヶ畑峠 -(迷走)- 14:58分岐点[490] - 17:05R482(但東町坂野)[270] =たんたんトンネル(舗装路)[335]= 登山口17:25 【地 図】2万5千図「須田」 【メンバー】S、はいかい 【天 候】曇(ーoー) ************************************************************************* 緑のブナ林は気持ちよかった。午前中快晴だったのに、午後曇って残念。晴れ ていたら、もっと緑が鮮やかだったのに。 午後の遅い時間に出発し、久美浜町小桑からR482に入り、尉ヶ畑の集落を抜 け、たんたんトンネルの入り口の空き地に車を止める。 登山口にはクルマが6台止まっていた。 最初はクルマでも入れそうなダブルトラックが続いているが、勾配は急ですぐ 押しにかかる。道は細くなり勾配はさらに増す。が、シングルトラックと言うに は道幅は太く、押して行ける程度の勾配である。 担ぎの好きなSは担ぎ始めるが、私は押しのまま上る。 我々が自転車を押したり担いだりしながら登っているとき、先ほどのクルマの 主と思われる団体が下りてきた。初老の男女10数名のハイカーだった。 まばらに集団を形成し下りてきながら、我々を見て皆口々に「わー、自転車! 凄い!!若いからできるんだ!!!(@_@)」。その都度、「僕たち物好きなんです」 と、照れながらも優越感に浸る。 「この山はきついよ、本当に自転車で山頂まで行く気なの?」「私は、山頂まで 行けなかった」なんて言う人がいたけれど、そんなに大変な山だったかな?実は 5年前に歩きで登ったことがあるのだが、それほど…。 尉ヶ畑峠の手前に、「休み石」と言うのがある。腰掛けて休むのにちょうど良い 石が横たわっている。もちろん休憩。この辺りから今日の下山ルートについての 協議が始まる。先ほどの初老のハイカーたちが、口々に「但東町から来たの?」と 言う。それまで頭になかったが、そういえば尉ヶ畑峠には但東町からもルートが 延びているのだった。そしてそのルートは林道で、今登っている久美浜からのル ートよりも走れそうである。実は協議と言うほどのことでなく、下山は「尉ヶ畑 峠→但東町→たんたんトンネル→出発地」のルートはあっさり決まってしまっ た。 休み石から尉ヶ畑峠へはあっというまで、少しだけ乗車できる区間もあった。 峠では南の景色が開けていて但東町方面が見渡せる。 登山道は稜線を走る林道に突き当たり、Tの字を形作っている。 そのTの字を右に折れ、行く手に見える高竜寺ヶ岳を目指して進む。軽トラく らいなら走れそうな林道は、勾配も緩くずっと乗車で行ける。 しばらく行けば、林道の左手に激しく下るダブルトラックが現れ、そちらの道 を採りたい衝動に駆られる。さらに行くと斜め右に登る道への分岐。山頂はこち ら。道幅はシングルというには太く、ダブルというには細い、尉ヶ畑峠より下の 道と同じくらい。水の流れが、道の中央部を深くえぐっている。 やはりSは担ぎ、私は押しでいく。右手に大きなブナの木がある。看板が立っ ていなければ気づかない、Sと私(^^ゞ。山頂が近づくにつれ道は急に、そして 森の中へと入っていく。 前方の木立が途切れ、東やの屋根が見えるとすぐに山頂。Sより少し遅れて到 着。登って見れば案外楽だった。 日に日に弱っていく体力に、年齢を感じてしまうが、今日ばかりは何だか若返 った気分だった。もちろん初老のハイカーたちに、「凄い、凄い!」と言われたせ いである。 山頂からは、久美浜湾がうっすらと見える。東の磯砂山は見えるが、北の依遅 ヶ尾山はわからない。南麓の但東町の景色を地図と見比べる。郷路岳だけは同定 できた。ここの林道は何度か走ったことがある。 日が長いとはいえ、もう遅い(出発が遅い)ので下山開始。山頂の直下の急坂 は、コワゴワ。Sも私もMTBの山サイ初心者。それでも、Sは私をおいてどんど ん下っていく。おーい、待ってくれーぃ。 急な下りでくぼみに前輪がひっかかり、後輪が浮く。MTBが前方に一回転。左 足はうまくハンドルを越えたが、もう一方がひっかかり右膝をすりむいてしまっ た(T_T)。そのあとの下りは、チョー消極的。 とはいえ、かなり良心的な下りで、我々でもかなりの乗車率が保てた。 林道まで下ると、そこからは高速の下り。一気に尉ヶ畑峠まで戻る。峠を過 ぎ、さらに進むがだんだんと道は登り始め、下る気配がまったくなくなる。よう やく地図を取り出して確かめると、ミスコース発覚(;_;)。峠よりも山頂より の、登りの時に下りたい衝動に駆られたあの道であった。 しかし、Sは先行している。オーイ、と呼んでも答えない。間違いとわかって いる登りを行かねばならない(T_T)。さらに走り、もう一度、オーイ、と呼んで みて返事があった。「行くなー」と叫ぶと、Sが戻ってきた。道が登っていること に何の不安も感じないで走っていたという。脳天気なやっちゃ。 軌道修正し、峠を過ぎて再び山頂めがけて進む。が、すぐに左の急激な下り道 へと吸い込まれる。この下りは、長く気持ちのよい高速ダウンヒルであった。 R482へと下り、たんたんトンネルへ少し登り返す。このトンネルのおかげで、 登りと下りのルートを変え、コースの面白さはアップした。が、それを素直に喜 べない。 以前高竜寺ヶ岳に登った時にはこのトンネルは建設中で、登山口は巨大な工事 現場の中であった。大きなダンプカーが出入りし、山頂までもその工事の騒音が 響いていた。 開通した現在、そのトンネルがなぜ必要なのかという疑問が湧く。確かに、便 利になった人もいるのだが、大開発に見合っているのだろうか。実は、どうもそ の裏がありそうな気がするのである。それは、久美浜に建設の動きがある、ゲン パツのためのトンネルではないだろうか。 そんな疑問を感じながらも、高竜寺ヶ岳の頂をMTBで極めた満足感を感じなが ら帰路につく。 右膝の傷などへっちゃらさ、だってまだまだ若いもの(^^)。 ☆丹後の國☆CXJ03743@niftyserve.or.jp《はいかい》 ↑ ページトップへ