但馬・氷ノ山のんびりハイク
 11月3日、最高の秋晴れの中、氷ノ山に登ってきました。今回歩いたのは、  数ある登山道の中で一番の楽勝コースである、大段ケ平(オオダンガナル) から山  頂に到るコースで、子連れ、年配の方には特にお勧めできます。    【目的地】氷ノ山(1510m)   【登山日】1993年11月3日(水)文化の日   【天 候】快晴 (^o^)v   【コース】大段ケ平から山頂(ピストン)   【マップ】エアリアマップ「氷ノ山・鉢伏・神鍋」   【同行者】配偶者、長女(7才)、長男(6才)、次男(3才)   【タイム】         9:30 自宅発 11:05 大段ケ平駐車場 11:10 登山開始 11:40 大屋町避難小屋 12:05 神戸大学千本杉ヒュッテ(神大ヒュッテ) 12:40 氷ノ山山頂着 13:15 〃 発 13:45 神大ヒュッテ 14:10 大屋町避難小屋 14:40 大段ケ平駐車場  *大幹線林道を大段ケ平へ   大幹線林道については、すずのこさんの氷ノ山登山レポート(#694)でも触れ   られているが、今回は兵庫県の鉢伏高原側からのルートを辿った。鉢伏高原   へ登る道路から、山麓の福定(フクサダ) 地区で左に下りる道が大幹線林道の   入口であるが、うっかりすると見逃してしまいそうになる。一車線の道はい   ったん谷に下り、谷川に沿って登って行く。左にカーブしてこの谷にかかる   小さな橋を渡れば、いよいよ氷ノ山の山懐である。橋を渡ってすぐ右に向か   うと、オーソドックスな登山道の一つである「あずきころがし」コースに入   る。林道は、氷ノ山国際スキー場まできれいに舗装されている。このスキー   場は、私が学生であった頃には未だ無くて、比較的新しく出来たものである。   氷ノ山の東斜面に広がるこのスキー場は、広くはないがその雪質と斜面によ   り、中・上級スキーヤーに人気がある。冬季は福定から谷越えの登行リフト   を利用する。スキー場を過ぎると、道はダートとなる。ゲレンデの端にキャ   ンプ場があり、その隣には鉢伏側からの氷ノ山登山道のもう一つのメジャー   コース、「東尾根コース」の入口がある。      但馬での氷ノ山登山は、福定を起点に「東尾根コース」から山頂に到り、「   あずきころがし」を下る、あるいはこの逆のコースを辿るのが最も一般的で   ある。この周回コースは、なかなか手応えがあり、山登りを十分に堪能する   ことができる。林道が完成してからは、今回私が紹介する「大段ケ平コース」   が利用されることが多い。なんといってもお手軽だ。      さて、スキー場を後にして、広い林道をひたすら走る。退避場所がいたると   ころに作られているので、対向車とのすれ違いも苦にならない。所々に残さ   れたブナやトチの大木を通り過ぎながら、入口からおよそ20分で標高約   1100mの大段ケ平駐車場に到着する。     *大段ケ平駐車場   車が50台は置けようかという、広大な駐車スペースがあり、当日も約30   台の車で賑わっていた。林道はごく普通の乗用車で、ここまで登ってこられ   るため、登山以外の目的の人も多く訪れている。ここからは見晴らしも良く、   ハムを楽しむ人達も多い。北西方向に広がる氷ノ山は、柔らかな丸みをもっ   た女性的な姿である。ピークは丸い稜線に隠れて見えない。途中の避難小屋   の三角屋根が見える。   林道はこの先、氷ノ山の南斜面をトラバースし、大屋町、羽賀町へと続いて   いる。  *大段ケ平から山頂へ   駐車場から50mほど林道を歩くと、右側に登山道入口の大きな案内板があ   り、迷うことなく山頂への道に入ることが出来る。ここから山頂まで2.7   Kmの表示がある。背丈を越えるチシマザサの間を、ゆるやかな尾根道は続   く。道幅も広く、誰でも安心して歩ける道である。落葉樹の自然林の中を巡   る道は、とても快適である。紅葉はすでに終わっていたが、落葉をカサカサ   と踏みしめながら、子供たちと楽しく歩く。約30分で大屋町避難小屋に到   着する。この手前の約10分が多少キツイ。この小屋は、比較的最近建てら   れたもので、きれいである。駐車場から見えるのは、この小屋である。   ここからもうワンピッチ、約20分で神戸大学千本杉ヒュッテの横に出る。   ここは、先に説明した「東尾根コース」登山道との合流点になっている。こ   の小屋は通称「神大ヒュッテ」と呼ばれており、私も学生のころは何度かお   世話になったものである。この小屋の利用は、神戸大学からの許可が必要で   ある。神大ヒュッテの近くには水場がある。ここから山頂までは約1Kmで   ある。      神大ヒュッテから山頂へ到る道は、いつもぬかるんでいて歩き辛い箇所が多   い。それでも昔には無かった木道が敷かれているところがあり、随分歩きや   すくはなった。このぬかるみは氷ノ山を特徴付ける、山頂直下の高所湿原   「古生沼」を源にしている。山頂にこのような湿原があるのは珍しく、天然   記念物に指定されている。   千本杉と呼ばれる杉の天然林を過ぎると、視界が開ける。鉢伏高原のススキ   野原を眼下に眺めながら、最後の登りにかかる。神大ヒュッテから約30分。   標高1510mの氷ノ山山頂に到達する。  *氷ノ山山頂にて   当日は、快晴の絶好の登山日和。多くの登山者で、山頂は大賑わいであった。   200人はいるかと思われる人達の中には、地元の登山パーティを初め、関   西なまりもあちこちから聞かれた。その中に、知り合いのY君の姿を発見。   彼は加藤文太郎の生誕の地、浜坂町の出身で、彼がスタッフとして活動して   いる「加藤文太郎を語る会」主催の登山会を敢行しているところであった。   「加藤文太郎の足跡を訪ねる氷ノ山登山」と題された、40名程のパーティ   を引き連れていた。一行はオーソドックスな「東尾根コース」から登り、こ   れから「あずきころがし」に下山路をとるとのことであった。   山頂からの展望は、まさしく360度の大パノラマで、兵庫県最高峰の貫祿   を十分に味わった。子供達に「ここは兵庫県で一番高い所だよ」と教えてや   りながら、北東方向に見える蘇武岳を指差し、「この前はあそこに登ったね」   と、10月の蘇武岳登山を振り返った。「こんどはまた違う山に行こうね」   と、子供たちと約束しながら山頂を後にした。秋の日差しが、一日中柔らか   な家族登山だった。  氷ノ山の1000m以上の紅葉は終わっており、ちょっぴり残念でした。山麓  の方は、今が紅葉真っ盛りといった感じで、林道からは見事な錦織りの山々が  目を楽しませてくれました。但馬地方の山はこれから長い冬に向かい、雪に閉  ざされます。今度、家族そろって山を訪れるのは、来年の春になるかもしれま  せん。  新聞によると、松葉ガニ漁がいよいよ解禁になったそうです。カニスキのシー  ズンですね。おいしいものを食べに、是非但馬地方に足をのばして下さい。  なお、紀行文中の「加藤文太郎を語る会」に興味のある方がおられましたら、  私あて連絡いただければ、連絡先等の情報をご提供します。                            93/11/06 CATHY from TAJIMA (GAB02525) ↑ページトップへ