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孫の氷ノ山デビュー



氷ノ山山頂

長男が孫と山に登りたいと帰省してきた。前泊ならいろいろと選択肢もあった
のに、10時ごろに我が家に来て10時半に車を出したものだから、近場で済
まそうと蘇武岳の林道を目指した。車中の会話で、本当は大段ヶ平から氷ノ山
に登りたいのだという。時間的にはまだ可能なプランだったので、急遽その案
を実行に移す。

関宮町の鵜縄から大幹線林道に入る。舗装とダートを交互に繰り返しながら、
たくさんの紅葉登山者の車が置かれた大段ヶ平に到着。準備を整え出発したの
が12時10分前。大方の登山者が山頂で賑やかにやっている時刻に、我々は
これから歩き出すのだ。孫のGは4歳。1年前のちょうど今頃、林道の東屋か
ら蘇武岳ショートコースを一緒に歩いた。今回は1年経って、いきなり兵庫県
最高峰にチャレンジ。

登山口からブナ林に入る。最初は快調に登ってゆくが、次第にぐずり出すのを
何とかなだめすかして歩を進めさせる。大屋町避難小屋で一休みしたあと、も
うワンピッチで神大ヒュッテに到達。このあたりから、続々と下山者とすれ違
う。多くの下山者から4歳児は声を掛けられた。歳を訊ねられて指を4本出す
と、必ず驚きと激励を受ける。

神大ヒュッテから山頂までは足場の悪い泥道が連続する。父親のフォローを受
けながら頑張って登り続ける姿はなかなか頼もしい。13時45分氷ノ山山頂
到着。大段ヶ平から約2時間掛かったが、大人の普通の歩きで1.5時間だか
ら、4歳児の氷ノ山初挑戦にはしては上出来であった。しかも、根を上げた時
のために父親が背負っていたベビー用の背負子は、一度も使わずに歩き通した
のがすごい。

雲は少しあるものの、晴れた山頂からの景色は遠くまで見渡せる。私たちが遅
い昼食をとっている間にも次々と登山グループが下山してゆき、静かな山頂が
戻ってきた。14時20分、来た道を下山開始。直下の悪路は、父親が背負子
に背負った。17Kgの我が子の重さを背中に感じつつ、神大ヒュッテまでの
30分頑張った。

一休みしたあと、再び3人で歩く。秋の天候不順のせいか、尾根の紅葉は今年
は今一つ鮮やかではない。ブナの尾根を越え、ときおり樹間から美しい紅葉が
目をひく。15時50分、最後まで歩きとおして大段ヶ平に帰着。多くの車が
既にいなくなり、中高年登山ツアーのマイクロバス2台が出ようとするところ
だった。

我が子も幼い時分から山を連れ歩き、今でもその原体験が彼らを山へと駆り立
てている。今回の登山中、娘夫婦と次男が一緒に南アの仙丈ケ岳に登っている
写メが届いた。つまりこの日、我が子3人が同時進行で山を歩いており、さら
に長男の4歳の息子が氷ノ山を初制覇した、そんな記念日となったのである。

車を出すと、チャイルドシートの孫はすぐに寝息を立て出した。とてもよく頑
張った。きっといつまでも忘れない山の思い出になるだろう。
この日から3日後の11月2日、氷ノ山に初冠雪の便りが届いた。

※撮影:P340

 【 登山日 】16年10月30日(日)
 【 目的地 】氷ノ山(1510m)
 【 山 域 】但馬
 【 コース 】大段ヶ平〜山頂ピストン
 【 天 候 】晴れ
 【メンバー】たじまもり、子たじまU、孫たじまG
 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照)
 【 タイム 】大段ヶ平P11:50…大屋町避難小屋12:30…神大ヒュッテ13:00
       …氷ノ山山頂13:45-14:20…神大ヒュッテ14:50
       …大屋町避難小屋15:10…大段ヶ平P15:50