はればれ晩秋オフ、暁晴山


 朝8時、予定より30分遅れで自宅を出る。前夜、妻たじまに30分サバをよん
 で出発時間を告げておいたこともあり、この遅れは予定通りの行動であった。
 好天を約束する深い朝霧は、和田山町内に入ってようやく晴れた。播但連絡
 道に入り、9時半には集合場所に到着する確信を持つ。
 
 今朝飲んできた風邪薬が効いてきたのか、やたら眠い。ぼんやりした頭で料
 金ゲートをくぐり、さあ次のインター「神崎南」でおりるぞと構えた。が…
 市川サービスエリアが現れ、とうとう市川南インターまで来てしまったでは
 ないか。『ありゃりゃ、神崎南なんて無かったよなあ』
 すぐに下り線で後戻り。市川北インターが現れ、次に現れるのが神崎南イン
 ターに違いなかった。そして、なんと、私が神崎北だと信じきっていた料金
 ゲートこそが、神崎南インターだったのだ。な〜んだ、ガックリ。
 
 このミスで20分のロス。しかし何とか出発の10時にはギリギリ間に合い
 そうだった。初めての走る谷あいの道。川沿いの紅葉が美しい。山の麓の集
 落を過ぎるとつづれ織りの道が始まり、大きなヘアピンを曲がったところで
 懐かしい顔が路肩に見えた。何年か前の七種山オフ同様、結局今回も我が家
 が最後の到着者となった。
 
 初めて顔を合わせる佐竹さん、ホームページで知り合った加古川の「山であ
 そぼっ・島田さん」と挨拶を交わす。
 たじまもり:「噂の、駄洒落の島田さんですね」
 島田さん :「そんなん言うのんは、だじゃれや?」
 さっそく強烈な先制パンチを食らって、一同「ガクッ!」と来たところでド
 ヤドヤと出発。
 
 ヘアピンカーブの路肩に立つ道標に従って山に入る。スギ植林の暗い森だ。
 沢を渡り、学習路の案内に従って左に入る。踏み跡は明瞭なものの、道幅は
 狭く、ポピュラーな山道といった雰囲気ではない。左下に渓流の音を、後ろ
 に島田さんの駄洒落を聞きながら、徐々に高度を稼いで行く。
紅葉鮮やかな谷詰めの道
紅葉鮮やかな谷詰めの道
 およそ50分歩いたところで黒岩滝に到着。登山道を左に逸れて、岩を乗り  越えたところが滝壷。落差20mの小さな滝であるが、紅葉と青空を背景に  白い水しぶきが清々しい。滝壷の落ち葉も美しく、一同、思い思いに休憩。  出発してからハイテンションのかねちゃんファミリー俊一君は、ここでもじっ  としていない。滝の左のテラスに立って、「おお、そこから飛び込むか!」  と気を持たせたが、そこいらの枯れ枝を投げ込んだだけに終った。    期せずしてデジカメ品評会となり、かねちゃんのFUJI DS-20、芳村さんの  EPSON CP-500、たじまもりのSANYO DSC-V100を見せ合う。こいつのお陰で紀  行文を書くのもますます楽しくなった。ポカポカ陽気を背中に受けて、黒岩  滝のショットを一枚切った。
黒岩滝滝壷広場にて
黒岩滝滝壷広場にて
紅葉を従えた黒岩滝
紅葉を従えた黒岩滝
 滝見物の後、再び山道に戻る。急斜面を登りきったところで、高原からの水  を流す人工水路の巡回道に出る。ここからは島田さんのガイドで進む。取水  口の先で林道に合流、ここを右折してすぐに左の雑木林に向かう。この道は  峰山高原のハイキングコースとして整備された遊歩道のようで、簡保センター  の施設を囲んでいる。先に車で高原に上がっていた島田さんのお連れの女性  がここで合流。13名のパーティとなった。    黒岩滝の谷詰めの道ではすれ違う人も居なかったが、遊歩道は打って変わっ  て賑やかな雰囲気。家族連れや年配グループが、それぞれの秋を楽しんでい  る。雑木林の明るい道を抜け出ると簡保センター。遊具の周りで家族連れが  弁当を広げている。ちょうどお昼。お腹がすいた。センターでトイレを済ま  せ、300円也の冷えたスーパードライを仕入れて山頂に向かった。    この先、山頂まではずっとアスファルトの様子。途中で山道に入ろうと画策  するもイバラに阻まれあえなく敗退。まあ、のんびり行きましょうや。  右手の車止めゲートを入り、暁晴山山頂に向かう。島田さんのパートナーが  元気である。俊一君と石蹴りに興じる彼女の年齢は結局不祥のままだった。
峰山高原の遊歩道を行く
峰山高原の遊歩道を行く
アンテナの暁晴山を目指す
アンテナの暁晴山を目指す
 「あっ!リス!」  妻たじまが突然叫んで、皆の足が一斉に止まった。「あそこ、あそこ」と指  差す方向に目をやれば、松の枝に尻尾の長い小動物の影が素早く動いて消え  た。ニホンリスのようだが、山で出会うことは滅多に無い。もう少し姿を見  たかったが、ちょっと得した気分だった。    道路の法面にはキノコがあったが、あたりにはアカトンボはもう居なかった。  10月中頃の陽気に思える今日の天気であったが、もう11月も半ばなので  ある。数日前、我が家では掘り炬燵に火を入れたのだった。それにしても、  なんと暖かい一日なんだろう。    何組かの下山組とすれ違いながら着いた山頂は、しばらく我々だけのもので  あった。無線施設に囲まれた山頂、目の前の新しい工事現場と、目障りなも  のはあってもここは1077mの展望台。まずは、思い思いのランチタイム。  お湯を沸かしながら先ほど仕入れた缶ビールをプシュッ! 弁当のおかずを  アテにググっと飲めば、これが美味〜い! 妻たじまと一本を分け合った。  見れば、隣の芳村夫妻の手にも缶ビールが握られていた。    風もなく、穏やかな山頂は気持ちが良い。島田さんがどこかと無線で話して  いるのが聞こえる。来週は氷ノ山に向かうとか、そんな会話が聞こえてくる。  しばらく観察していたが、どうやら無線では駄洒落は出ないようであった。
山頂より峰山高原を見下ろす
山頂より峰山高原を見下ろす
ポカポカ陽気のランチタイム
ポカポカ陽気のランチタイム
 用意して来たカシバードのプリントアウトを見つつ、ぼんやり見えている北  から西にかけての山を同定してみるが、かなりあやふや。ここで佐竹さん持  参のLet's Noteが大活躍。カシバード画像を見ながらコンパスの位置と合わ  せて行く。次々にピークの同定が行われ感心する。重さは1Kgという話であっ  たが、現地での山岳同定には強力な武器になること間違いなしだ。あきゆき  さんが使っていたICレコーダーとハンディGPSもそうだけど、最近の山歩きは  随分とハイテク化したものだ。    芳村さんのコーヒーなどでのんびり過ごした後は、お約束の記念撮影。  PLUTOさんがNIKONで撮ってくれたとき、「はい、もう一枚撮りま〜す」とい  うデカイ声がいかにもドクターであり、一同レントゲン写真を撮られる気分  になって大笑い。私のデジカメにも一枚記念ショットを記録した。
記念撮影
記念撮影
 来た道をセンターまで戻り、しばらく歓談。あきゆきさんは今後も多忙が続  くようだ。このところの無理がたたったのか、今日は体調不良のままの参加  だったようだが、本当に素晴らしい一日をコーディネートして頂いたことを  心の中で感謝した。予め回送して戴いていた車に分乗して出発点まで戻り  (妻たじまと乗せてもらった佐竹号、かなりハイパーなドライビングでした   が^^;)、またの再会を約束して解散した。  【 登山日 】98年11月15日(日)  【 目的地 】暁晴山(1077m)  【 山 域 】播州峰山高原  【 コース 】峰山口から黒岩滝を経て山頂  【 天 候 】快晴  【メンバー】あきゆき夫妻, 芳村夫妻, PLUTOさん, 佐竹さん, 島田ペア        かねちゃん+俊一君, たじまもり+妻たじま+こたじま/GEN  【 マップ 】持たず(2.5万図「長谷」参照)  【 タイム 】自宅8:00 → 峰山口9:50-10:00 → 黒岩滝10:53-11:00 →        水路巡回道合流11:15 → 林道合流11:20 →        簡保センタ11:45-12:00 → 暁晴山12:35-13:40 →        簡保センタ14:07-14:40 → 自宅16:50                         ○▲▲たじまもり▲▲☆