トップ>たんたん山ある記>阿瀬渓谷>このページ
昨春は冬の大雪で季節感が狂い、今春は3月のバカ陽気で季節感が狂い、このと ころ、すっかり山歩きのテンションが下がりっぱなしだ。2年ぶりの阿瀬渓谷は 単独行となった。麓の金谷集落にある駐車場に車を置き、できるだけ長く歩くこ とを心がける。いつも車を置く路肩には週末にも関わらず1台の車もなく、散り かけの桜がひっそり迎えてくれた。 高いところから初認のオオルリの囀り聞きながら歩けば、八重桜はまだツボミも かたいままで、肩透かしを食らってしまった。20分ちょっとで滝見の展望所を 通過。ここから山道に入る。 春の花にはまだ早いといった感じで、マムシグサが時々目につく程度だ。湿地の コチャルメルソウやネコノメソウをチェックしながらゆっくり登ってゆく。時折 沢からミソサザイの囀りが聞こえる。 不動尊の急登。爺ちゃんツリーは2年ぶり。60年代に父がこの場所で見つけた イッシキキモンカミキリ、昨夏、父の教え子であるUさんが見事に新産地を探し 当てた。そんな報告をしながら通過する。 お土産に摘んで帰ろうと思っていたコゴミの群落は、まだまったく出ておらず、 かわりにザゼンソウの新鮮な花が咲いていた。4月第2週末でザゼンソウがあち こちに残っている状況を見れば、この冬の雪は少なかったにも関わらず、渓谷の 春は案外ゆっくり訪れていることを感じた。 廃村近くにはハシリドコロが咲いていた。東屋でザックをおろし、コンビニおに ぎりとカップラーメンの昼食。食後はコーヒーとおやつ。一人でのんびり時間を 過ごしたあと引き返す。 戻り道は植物の写真を撮りながら下る。 ミヤマカタバミ、ザゼンソウ、ヤマルリソウ 車道まで戻ると、崖の上に気配を感じた。目をやるとテンがこちらを睨んでいた。 しばらく目を合わせたあと、さらに崖の上へと姿を消した。と、突然、ガラガラ と音を立てて拳ほどの岩と枯れ枝が落下してきた。危うくのところで飛び退いて 避けることができたが、テンが歩いて落としたに違いない。 結局、下りで電力会社の作業員2名とすれ違っただけで、まったく静かな一人歩 きの阿瀬渓谷であったが、春の花やコゴミを期待していただけに、ちょっと残念 感の残るシーズン最初の山歩きであった。 撮影:Nikon1V1+10-30mm 【 登山日 】13年4月13日(土) 【 目的地 】阿瀬渓谷 【 山 域 】但馬 【 コース 】金谷P〜廃村金山ピストン 【 天 候 】晴れ 【メンバー】たじまもり 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照) 【 タイム 】P9:50…廃村11:18-12:00…P13:30 |