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春が始まると阿瀬渓谷に2度足を運ぶことが恒例となりつつある。最初は雪解 けのザゼンソウ、その次がワサビとコゴミ。最近はどの山でも「山菜採るべか らず」の看板があって気が引けるが、家族のわずかな食卓にのぼる程度の山の 恵みは、地元の方々とシェアしあっても許されると思っている。 ゴールデンウィーク最初の週末はたくさんの車が路肩に止まっていて、下のキャ ンプ場にもカラフルなタープやテントが並んでいた。奥の駐車場にも数台の車 が入っていたが、途中台風災害で路肩が落ちている場所があり通行は危険。駐 車場前の八重桜は満開。道端の花を写真に撮りながらぼちぼち歩く。 ウツギ、ヒメレンゲ、カキドオシ、ツルカノコソウ、オオタチツボスミレ、 ムラサキサギゴケ、アケビ、イチリンソウ、ニリンソウ、ホウチャクソウ、 エンレイソウ、ヤマエンゴサク ミソサザイの姿をようやく見つけたが、思うような写真は撮れない。オオルリ とクロツグミのコーラスを聞きながら不動尊の急坂を登る。石段の下に妻たじ まが小さなカエルを見つけた。タゴガエルだった。なかなか姿を見せない山地 の湿地に住むアカガエルの仲間。 残雪はすっかり消え、ザゼンソウがわずかに残っていた。コゴミがたくさん出 ていて、晩のテンプラ用に少し摘んだ。妻たじまはもっぱらワサビに気が向い ていたが、いつものポイントには先客二人がワサビ摘みの最中。ここで少し摘 んでから廃村に向かう。トキワイカリソウが目をひく。目の前でホオジロが囀っ た。 分校はごらんの通りの状況であるが、まだかろうじて全壊を免れている。ここ でお昼にする。メニューはコンビニおにぎりとインスタント味噌汁。小さな缶 ビールも1本ずつ。食事を終えて散策すれば、思いの外たくさんのワサビが出 ていて、妻たじまもこれで満足の様子であった。「見て見て」と彼女の指さす 先には、なんとサンショウクイのペアが低い枝で餌を採っているところだった。 こんなときに限ってカメラを下げていない。あわててカメラを手にした時は飛 び立った後だった。 帰り道は洗心台経由。分岐からの登りが結構堪えるが、新緑の光を浴びながら 一汗流すのも心地よい。足元にはオオイワカガミ、ヒメスミレ、チゴユリ。 ピーク周辺には人為的に移植されたと思われるシャクナゲが綺麗に咲いていた。 洗心台で一服してから若林の谷に下る。途中でオオルリに出会ったが空抜けと 光線の具合で綺麗な色は出なかった。 駐車地点では朝の車はすっかりいなくなって、私の車だけが残っていた。 春の森の恵みを、今年も感謝して頂いて帰った。 【 登山日 】05年4月30日(土) 【 目的地 】阿瀬渓谷 【 山 域 】但馬 【 コース 】バンガロー入口路肩よりピストン 【 天 候 】晴れ 【メンバー】妻たじま&たじまもり 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照) 【 タイム 】P11:10…不動尊12:30…金山13:15-13:50…分岐14:15… 洗心台15:00…取水ダム15:30…思案橋16:05…P16:20 |