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この季節の週末はソワソワしっぱなしだ。春になっていろんなことがいっぺん にやってくる。あれもこれもしたい。だけども春一番の山歩きは阿瀬渓谷のザ ゼンソウから。この拘りは今年も消えない。あいにく妻たじまは娘の進学に合 わせて都に上ったままの4月最初の週末、一人で歩くことに決めた。 昨年の記録を見ると4月3日に歩いている。1日違いの同じ時期の歩きになる が今年は残雪が多い。源太夫滝までの歩道から見下ろす山かげにも雪が残って いる。今日は長靴で歩いているが正解だろう。カラン橋の手前の瀞場から2羽 のカルガモが飛び立って驚かされた。ミソサザイが晴れやかに囀るほかは、鳥 の声にはまだ少し早そうだ。 いつもの湿地は最初の撮影ポイント。ここで必ず撮るホクリクネコノメと教え られていた植物、実はサンインネコノメという別種であるとネット経由で教え てもらった。1995年に新種として登録されたという。基準標本は氷ノ山山 麓で採集されたものだそうだ。コチャルメルソウもたくさんあって、雪解け水 の小さな湿地は一際賑やかだ。斜面にキクイザキイチゲを見つけたが、この花 の季節には少しだけ早かったようだ。昨年はすでに開花していたミヤマカタバ ミもまだ花をつけていなかった。 登山路の随所に残雪があり、崖の場所では通過に気を使った。昨年の台風の影 響を確かめることも今回の目的の一つだったが、一箇所ひどいスギの倒木の場 所があった。斜面からなだれ落ちた倒木が登山路を塞いでいるが、チェーンソー で通行の妨げにならぬよう処理がされていた。不動尊上の取水ダムの付近は結 構な残雪で、壺足で雪の上を歩きながら時折踏み抜いては股まで埋まった。 洗心台への周回コースの分岐を越えると雪はますます増え、一面の雪景色が谷 の奥へ続いている。今日の歩きはここまで。ここに咲くザゼンソウを見れたこ とで目的は果した。写真を撮ったあと来た道を引き返す。 思案橋を見下ろす斜面にヤマルリソウをようやく見つけた。あと一週間もすれ ば春の花が一気に開くだろう。雪解けが終わった頃、もう一度妻たじまと連れ 立ってここを歩こう。 登山口の休憩小屋から歩道に戻る。崖のくぼみに咲くタチツボスミレを撮影し てふと地面を見るとこんなものが横たわっていた。登るときには気づかなかっ たし、もう臭いも殆どしないほどに食べ尽くされてしまった骨だけの、これは イノシシかな? ヒオドシチョウの越冬個体も飛び始め、但馬の山は今ようや く目覚めようとしている。 【 登山日 】05年4月2日(土) 【 目的地 】阿瀬渓谷 【 山 域 】但馬 【 コース 】バンガロー入口路肩よりピストン 【 天 候 】曇り 【メンバー】たじまもり単独 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照) 【 タイム 】P10:05…不動尊11:10…ザゼンソウ11:25…P13:08 |