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JRと遊んだ円山川/PART2


JRと遊んだ円山川/PART1の続編

 昨日(8月22日)に続きJRをゲストに円山川で遊んだ。昨日は寄宮の河原
 で恨めしそうな顔で我々を見送ったすのーべるさんも、久しぶりのカヤック
 とあって気合いが入っていた。出艇ポイントに向かう途中のマーケットで食
 料調達。ラーメンコーナを物色中、店のお姉さんがクシャミを一つ。そばに
 いたJRが反射的に"Bless you!"と言った意味をそのお姉さんは理解したらし
 く、黙って作業を続けながら苦笑い。反応したJRも、ここが日本だったこと
 を改めて理解したのか、顔を赤らめた。
 
 糸井橋下流の出艇ポイントで準備をしていると、自転車に乗った女性が唐突
 に現れた。PATIO仲間のベガさんだった。昨日、いっしょに下るはずだった
 彼女は、キャンセルの理由と連絡が上手く行かなかったことを侘び、買い物
 かごから差し入れの食料を手渡した。今日のツーリングも地蔵盆のお祭りの
 準備があって叶わなかったことを残念がった。

 ベガさんに別れを告げ、葦に囲まれた小さな支流を艇を引きずって本流に出
 た。上流の土木工事のせいか、出艇地付近の水は茶色く濁っていて、今日の
 蒸し暑さが川の臭いをさらに濃くしていた。今回のJRの艇はロックイット。
 友人のみゅうさんの所有物であるが、なかなか川に浮かべて貰えないロック
 イットにとって、今日のツーリングは嬉しいイベントとなったろう。逞しい
 米国青年が乗ると、ロックイットも素晴らしく絵になるのだった。

 時計を確認。14時丁度にスタート。右岸道路の橋の上でベガさんが手を振
 った。
出艇前の3人
出艇前の3人、撮影はベガさん
出艇直後のJR
出艇直後のJR、下流に流れ橋を望む
 緩やかな流れを10分漕いで高田の流れ橋をくぐる。  今日はこの橋の写真を撮るのが私の目的の一つでもあった。橋の上にあがる  と丁度高校生らしき二人の青少年が左岸から現れて、橋の真ん中に座って足  を投げ出した。撮影の邪魔だとも言えず、彼らを従えた橋の姿を何枚か撮っ  た。でも、人の居ない静物的な橋の姿より、人の居る橋の風景の方がこの橋  には似つかわしくも思える。JRも呼んで、記念ショットを撮ってやった。  流れ橋にJRはまったく似合わない。この橋は古き良き日本の伝統。
流れ橋で記念撮影
流れ橋で記念撮影
下流より流れ橋を振り返る
下流より流れ橋を振り返る
 流れ橋を出てすぐに最初の堰堤越えが待っていた。いつも円山川で遊ぶ我々  にとっては、この堰堤越えもツーリング中の楽しい遊びである。適当な間隔  を置いて現れる堰堤は円山川ツーリングのアクセントであり、堰堤下には必  ず小さな瀬があって楽しめた。
堰堤越え
堰堤越え
すのーべるさんとJR
すのーべるさんとJR
 堰堤から溢れた水が落ちる様は見ていて飽きない。JRは堰堤にもたれかかっ  て天然シャワーを全身に浴びながら声を上げた。すのーべるさんは防水カメ  ラを堰堤の滝に向けてしきりにシャッターを切っていた。水の冷たさとキラ  メキは、夏の堰堤越えの美味しいご馳走なのである。  堰堤下の、この日初めての瀬と呼べる流れを下り、左にゆっくり流れて右に  向かうコーナーに小さな河原を見つけ上陸。遅いランチタイムとした。こう  いった秘密のポイントを発見することも、川下りの楽しみである。道路から  は絶対に分からない素敵な空間が、川にはいくつもある。    さっそくビールをプシュ・プシュ・プシュっと開け、グビ・グビ・グビっと  やれば、熱い太陽光が瞼の上で転がった。「ぷはぁ〜 うみゃあ〜」  川のランチは常にラーメンと決まっていて、無意識のうちに私もすのーべる  さんもバーナーでお湯を沸かしていた。ガスバーナーの、シュー・ボボボ・  ゴォーという音も、川遊びには欠かせない。しかし待てよ、今日はベガさん  の差し入れがあったのだった。袋を探索すればチキンのから揚げが出てきて、  さっそくビールのアテに。調理パンも3人のお腹を満たすのに十分だった。
堰堤写真家すのーべる
堰堤写真家すのーべる
左岸の河原でランチタイム
左岸の河原でランチタイム
 長いランチタイムを過ごした後はバックウォーターをひたすら漕ぐ。水温が  上がった川面からは嫌な臭いがした。2年前の9月の台風の日(笑)、オー  ストラリアのトムと一緒に風と格闘した思い出の場所だった。すのーべるさ  んと並んで、そんな思い出話をしながら今日はのんびりとパドリングを楽し  んだ。    古い堰堤は水害によってかなり傷んでいた。崩れたコンクリート土台の下か  ら短いラピッドを下る。すのーべるさんの漕ぎは心配ないが、JRは超後傾姿  勢でおっかなびっくりモード。米国のホワイトウォータで漕ぎまくるのだと  意気込むJRであったが、果たして大丈夫であろうか。しっかり練習して、い  つか我々が米国遠征するときにはしっかりガイドを頼むぜ。
道の駅近くの古い堰堤
道の駅近くの古い堰堤
チョロ瀬を行くすのーべるさん
チョロ瀬を行くすのーべるさん
この後傾姿勢じゃあね
この後傾姿勢じゃあね
 次の堰堤が近づいたとき、左岸から大型犬がイヌカキで向かってくるのが見  えた。飼い主が堤防からこちらを見ていた。犬で沈する(犬沈?)のは御免  であったのでさっさと堰堤に上がってしまった。振り返ると犬を飼っている  残り2名は、イヌカキ犬と仲良くお話しているようだった。私は犬語が話せ  なくて残念だった。  いつもは楽しい堰堤下のゴロ岩のラピッドも、水量の少ない今日はつまらな  かった。先行して、エディから二人の下る姿を撮影する。しかし、どうもカ  ヤックに乗ったままデジカメを操作するのは不安である。落としはしないか、  ひっくり返りはしないか、落ち着かない気持ちでシャッターを切った。
ゴロ岩のラピッドを行く
ゴロ岩のラピッドを行く
JRもなかなかサマになってきた
JRもなかなかサマになってきた
 橋をくぐると、私とすのーべるさんの好きな養父神社前のせせらぎ。高い堤  防が視界から消えて、両岸の葦原に囲まれた気持ちの良いせせらぎが500  mあまり続く。いつもここに流れ込んでくるとホッとした気持ちになるのだ  った。    日はすっかり西に傾いて、せせらぎを光の波が渡っていった。
養父神社前のせせらぎ
養父神社前のせせらぎ
西日に輝く川面
西日に輝く川面
 橋の手前、狭まった川幅一杯に網を入れ、5・6人の黒いウェットスーツ姿  の怪しげな鮎取り集団が居た。網を入れたまま、掛かった鮎を潜って外すよ  うなやり方で漁をしている様子であった。連中は極めて友好的な態度で、入  れた網の中央部を漕ぎ下るよう我々に指示した。礼を述べて通過。    橋の下のこの日一番のラピッドには、一人の鮎釣りが糸を流していた。待つ  ことしばし。タイミングを見計らって声をかけ、竿が上がったところを一気  に通過した。超短いストレートの瀬ではあったが、ヒャッホーな気分を僅か  5秒間ほど楽しんだ。(笑)    この先、流れは二つに分かれるが、いつも通り右側を行く。右岸に沿って護  岸テトラが積んであり、そこに向かって水流が集中し白い波を立てている場  所。テトラに捕まらないよう、大きな上下動の波を乗切る。本コースで一番  注意の必要なポイントであるが、水量の少ない今日は問題なく通過できた。    二つの流れが合流し、その先で左から支流の大屋川が流入する。今年はとう  とう春の大屋川をやれなかったな。鮎シーズンの終わった秋の大屋川、きっ  と下ってみようと思う。
右岸上陸ポイントから舞狂橋を望む
右岸上陸ポイントから舞狂橋を望む
 川幅が大きく広がり、ブロック堰堤が現れる。右の水路からS字状に瀬が続  いて面白そうである。そのちょうど美味しいところに3人ほどの素潜り鮎取  り隊が居てどいてくれそうもなかった。すのーべるさんは早々に日本人的謙  虚さを持って、水の少ない左の水路を腰を揺すりながら下りようとしていた。  私もそれに従ったが、JRはどうしても右のラピッドに拘り、ついに国際交渉  が成立したと見えて楽しそうに下って行くのが見えた。さすがに国際弁護士  だけのことはある。(笑)    ゴールの舞狂橋が目の前にあり、しばらく底を擦るほどの浅瀬を苦労しなが  ら漕ぎ切った。橋をくぐると最近行われた河川改修の跡があり、その先は再  び大きなバックウォータとなっていた。橋の下流右岸の上陸ポイントに下り  立ち、後続の二人に最後のシャッターを切った。  日はすでに沈もうとし、黄昏がやがて山と川をシルエットに変えようとして  いた。1998年夏、二つの円山川の思い出がJRの記憶の中に永くとどまってく  れることを願い、またいつの日か共に川を下る小さな夢を、自分自身の胸の  中にそっとしまいこんだ。  【 行動日 】98年 8月23日(日)  【 河 川 】円山川  【 流 域 】兵庫県北部  【 コース 】糸井橋下流(和田山)〜 舞狂橋下流(八鹿)  【漕行距離】約7Km  【 天 候 】晴れ  【メンバー】J.R.Smith on Rock-it, すのーべる on Tornade        たじまもり on Cyclone  【 タイム 】糸井橋下流14:00 → 流れ橋14:10 → 舞狂橋下流17:20  【 川情報 】・堰堤越え4個所        ・大屋川合流手前の右水路、右岸テトラ注意        ・5万図「出石」参照