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春の大川はドバドバゆくよ

 『春の小川はサラサラゆくよ』♪
 日曜日の円山川は、雪解け水を集めてドバドバ流れていました。

 赤崎橋下の河原には1台の軽自動車があって、娘と父親が何やら燃やしてい
 るところでした。その家族から少し離れた水際に近いところまで車を入れ、
 出艇の準備にかかります。岸辺には1本の菜の花が風に揺れていました。天
 気は曇り、気温は14度でした。

 テトラの前はいつもの倍とも思える流速で水が流れていて、船を出すのに少
 し躊躇すら感じました。先程の家族は橋の上に車を移動させ、私の出艇を興
 味深げに観察しているようです。流れにはスムーズに入りました。パドルを
 動かさなくてもドンドン流れてゆきます。

 赤崎の河原をまっすぐ進むと、Takao さんが「但馬ライン」と名づけた名勝
 地に到達します。いつもは流れのない瀞場なのですが、今日ばかりは大きな
 水の塊が流れを持って動いています。冬鳥の残党が、私の船を見て飛び立ち
 ます。なだれ落ちる常緑樹の林を見上げれば、アオサギの大規模なコロニー。
 岸辺の流れのない溜まり場に船をいれ、双眼鏡でしばし観察。抱卵中のもの
 や、巣材をくわえて樹上に舞い降りるものや、サギの暮らしぶりをしばらく
 覗かせていただく。陸上からでは、こんな近くでの観察はとても無理です。

 流れに戻り、ゆっくりパドルを動かします。左から神鍋の雪解け水を運んで
 きた稲葉川(いなんばがわ)が合流。川幅が大きく広がります。左の森から
 はウグイスの声。前方から飛び立つカモ。右に大きくカーブし、やがてすの
 ーべる邸の裏の河原に到達。出発してから20分。今年最初の円山川でのカ
 ヌーは無事終了しました。

 しかし、今回はこれで終わったわけでは無く、河原から艇を引き上げ、一人
 で担いですのーべる邸の車庫まで担いで帰るという試練を自分に課したので
 した。私のカヌーはキィウィ2という名前のポリエチレン製の二人艇。長さ
 4m、重さ28Kgの超重量級のカヤックです。二人で使うことが前提なの
 ですが、これをソロで使うところが良いのですね。ゆったりと、のんびりと。
 で、一人で遊ぶには、当然一人で船を運ばなければならない。前回の久美浜
 湾でも短い距離を一人で担ぎましたが、今回はちょっと長い。それに加えて
 坂道ときています。距離にして150mくらいでしょうか。私にとっては、
 ゴルゴダの丘に向かって十字架を背負うジーザス・クライストの気分でした。
 坂の途中で一回休憩。ゼー、ゼー、息を整えて、担ぐ肩を代えます。

 駐車場に艇を置くと、へなへなと座り込みます。重かった。パドルやら、荷
 物やらで30Kgはあったでしょう。若い頃は、これ以上の重さのキスリン
 グを背負って山を歩いたものでしたが、もうあきまへんわ。しばらくは腰が
 痛かったし、いまも両肩に痛みが残っています。